第14話

「こうくん」

「何ですか?美耶ちゃん」

「背中流して」

「何で僕が?」

「手が届かない」


仕方なくボディソープで、雛乃さんの背中を洗う。

繰り返すが、水着着用。


「美耶ちゃん」

「何?こうくん」

「唄いながらやっていい」

「いいよ」


一呼吸してから、唄いながら洗いはじめる。


「♪美耶ちゃん、お背中ながしましょ」

「♪ごしごしごしごしごしごしごし」


「♪美耶ちゃん、白髪が・・・」

「ないわよ!」

睨まれる・・・


でも、一本あった。

若白髪・・・

苦労してるんだな。


僕といると、後数本は増えるな・・・


「今度は、私ね」

「いいです」

「だめ。清潔にしなさい」


仕方なく、後ろを向く。

そうすると、頭にシャンプーをかけられる。


「あのう、美耶ちゃん」

「こうくんは、坊主に近いから、洗いやすい」

「美耶ちゃんは、髪が長いね」

「髪は女の命、だから、ここだけは、こうくんでも洗わせない」


いえ、いいです。


これを、雛乃さんのご両親が見たら、怒り狂うな・・・


「大丈夫だよ。こうくん」

「何が?」

「こうくんは無害だから、私の両親も安心してる。言わなかった?」


もつかな・・・僕・・・




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