第10話

「じぁあ、今日はお疲れということで・・・って?」

「どうしたの?こうくん」

「ベットが、ひとつしかない」

「そうだよ。それがなにか?」


雛乃さんは、当たり前のようにいう。


「僕は、どこで寝るの?」

「そのベットだよ」

「美耶ちゃんは?」

「私も」


新幹線が横を通過した幻覚が見えたのは、錯覚ではあるまい。

しかも、0系から、N700系までが、順々に・・・


あっ、500系だ。

乗りたかったな。のぞみとして・・・


食堂車。

食べてみたかったな。


「美耶ちゃん、それはまずい」

「どうして?知らない仲では、あるまいし」

「だから・・・」


男として、見られてないのか?

少なくとも、淡い期待はしていない。


「一緒に寝る事で、親睦を深めるの。わかった?」

「へいへい」

「返事は、はい」

「はい」

「よろしい。それと・・・」

「それと?」

「今日から、特訓だから。互いのね」

「そう・・・」


どうにでもなれだ。


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