第9話


「お待たせ」

「早かったね」

「うん」


30分はかかっていたのだが・・・


同じ30分でも、待つ方と待たされる方では、時間の感じ方が違う。

これは、相対性理論か・・・


「違うと思うよ。こうくん」


心の中が、読めるのか?

雛乃さん。


「私たちは、5番ね」

「5番?」

「うん。あそこ・・・」

「随分と奇麗だね」

「最近、建てなおしたらしいよ」

「どうして?」

「火の妖精さんが、暴れたみたい」


5号室の前にきて、鍵をあけてもらい、中に入る。


玄関で靴を脱ぐのか?

当たり前かもしれんが・・・


先に入った雛乃さんの靴を揃えておいた。


「ありがとう。こうくん」

何もしてないのだが・・・


ちょっと待て・・・


間取りは・・・


キッチンに、バストイレ付き。


それはいい。


でも、他の部屋は・・・


「私と君は、同じ部屋で、寝泊りよ」

「それはまずいんじゃ」

「大丈夫。任せなさい」


何をですか・・・


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