第4話 琴ひく風の濱松も

 浜松といえばウナギ、餃子。とはいえ乗り換えで食べている時間がない。ちょっと悲しいが、この時はロングシート地獄が終わった喜びに溢れていた。

 次は普通列車豊橋行き。行先が愛知県になった。長かった静岡県も、あとわずか。なんだか寂しく感じた。

 浜松を出ると、新居町にかけて新幹線と並走する。浜名湖を渡り、弁天島に到着。ドアが開くとものすごい音がした。見ると真横を新幹線が爆走している。ああ、ここまで何本の新幹線に抜かれたのだろうか。

 静岡県最後の駅は新所原。熱海からひたすら続いた静岡県が、ついに終わった。

 豊橋に着いた。乗り換え先の列車がちょうど到着したところだった。見ると名鉄の列車もいる。名古屋ももう少しだ。ずいぶん遠いところに来たんだな、鈍行で。

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