第2話 ロングシート地獄

 ロングシート地獄。静岡県内の在来線はしばしばこう言われる。

 ここは熱海駅。先程、東京から東海道線で到着し、昼食を食べたところだ。ホームに戻ると、ちょうど普通島田行きが到着した。先ほどまでの15両編成から一転、3両編成の列車だ。なんとも頼りない。車内はそれなりに混んだが、座ることはできた。

 「本日も、JR東海をご利用くださいましてありがとうございます。」そうか、ここはJR東海。2社目に突入したのだ。これが、初のJR東海在来線乗車となった。

 静岡県はのぞみに乗っていると一瞬だが、在来線に乗るとその長さがよくわかる。沼津で御殿場線と合流。西へ進む。富士の辺りはその名の通り富士山が見えるはずだが、残念ながら富士山は雲の中だった。

 興津川を渡ると、まもなく興津に到着。この列車は島田まで行くが、どうもそこで乗り換える列車が興津始発らしいので、ここで乗り換えることにした。

 興津駅周辺を散策しようかと思ったのだが、先ほどまでの雲がどんどん厚くなり雨が降ってきたので断念。しばらく興津駅で特に何もない線路を見るなどして時間を潰していた。


世に名も高き興津鯛


 鉄道唱歌にもこのように歌われている興津鯛。さぞ美味しいのだろう。今度興津に立ち寄ったら是非食べてみたい。そんなことを考えていると、次の列車が到着した。

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