第8話真夜中の舞楽

「もう寝るね……」

アナはバサッとベットに飛び込み、熟睡した。

「おやすみ」

セルシオもケイもクララも寝た。

「カルラ……」

「なに?」

何なんだろう…この危険な感じ。なんか、ドキドキする…?

「お、おやすみ」

「ああ」

深夜12時を迎え、眠りについた。そして、

深夜2時ごろ。眠れなくて目が覚めた。取りあえずトイレにでもいこうかな、と廊下に出た。

「あれ……誰?」

外で、剣術を熟す人影が一つ。

「短…剣?」

うちの寮でも短剣使いは珍しい。私の知る中だと…

「セルシオ…?」

「アリア。どうしたの?」

シュッと動きを止め、こちらに向き直る。

「眠れなくて…セルシオこそ何してるの?」 「散歩…」

「嘘だよね」

私はセルシオの嘘つくときの癖を知ってる。頬を掻くこと。

「うん…。実は前からみんなに秘密で夜特訓してたんだ。」

私はベンチに座る。セルシオも隣りに来て言った。

「カルラやアナは普通に強いし。アリアも、一定の条件を満たせば二人より一時的に最強になるし。ましてや舞楽なんて使う人がいるものだから。」

「そっか……私はそのままのセルシオが好きだけどね。無理して風邪引いたりしないで。もし特訓するようなら付き合うからさ。」

そう言うと、セルシオは顔を真っ赤にして頷いた。

「じゃあ、ちょっと見てほしいんだ。」

ベンチから降りて剣を構え、大きく息を吸った。

「絶頂の舞!唯我独尊!」

キレキレの早い舞だった。剣を振るうと、素早く目の前の的が切り刻まれた。

「凄い!どこで知ったの?!」

「お風呂で、ケイに言われたんだ。セルシオって名前には最高って意味があるから、この技ならすごく速く動けるって。」

ケイはセルシオのこと、あったばかりで全然知らなかったはずなのに。

「でも威力は弱いんだ。速さを重視してるから…」

「よく頑張ってるんだね。凄いよ。私も頑張らないと。」

夜遅く。私は新しい舞楽を知った。だけどこれは一騎打ち戦まで秘密とのこと。なんかハードル上がったなぁ…

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