第7話
ご飯を食べ終えた俺は、マリアと一緒にお風呂に入り、マリアと一緒にベッドに入った。俺はすぐにぐっすりと眠った。
「アル、起きて。もう朝よ。」
声をかけられて、意識が浮上する。マリアは寝巻き姿から出かける用の服を着ており、白い三角形のように裾の広がったスカートに、青いベストのようなもの。まるでドレスのようだ。こんな服装は見た事がない。
「アル、一緒に街に行きましょう?アルの服もいっぱい買わないと。」
「でも…」
俺は知っていた。服というものがとても高価だという事を。自由に服を着れる人なんて、1%もいないこと。昔本を読み聞かせしてもらった時に聞いた。服は全ての人に無料で支給されているものがあり、それを着てみんな生活をしていた。村の人達も、俺も。それは
普通の人は、この常用服で満足するしかないから、マリアみたいに沢山の布をふんだんに使った服なんてものは買えない。買えるのは貴族の様なお金を沢山持っている人だけだ。
「アル…?」
マリアが首を傾げた。もしかして、マリアが逃げたお母様って人は、貴族なのかもしれない。言われてみれば、母親の事をお母様と言う人なんて周りで見た事がない。
「ねぇ、マリアって…貴族の人なの?」
俺の問いかけに、マリアはくすりと笑った。
「まさか…私は普通の人よ。この服は自分で作ったの。布は安く売っているから。」
マリアはそう言うと、部屋の扉に向かった。
「顔を洗って、中に入っている服を着てね。アルのサイズの服があるから。」
パタン
マリアはそう言うと、扉から出て行った。
俺はベッドの隣にある台に登って、蛇口を捻り、水を出して顔を洗った。あまりの冷たさにびっくりしたけど、それ以上に目が覚める。そして、顔を上げて鏡を見た。
そこには、黒髪で赤い瞳の俺の姿が映る。母親譲りの黒髪と、父親譲りの赤い瞳…あの人たちの最期を、俺は忘れる事が出来るのだろか。
顔をタオルで拭いてから、タンスから適当な服を取り出して着替える。
その服はやはり常用服では無く、精巧に作られた服だった。マリアが作ったのだろうか…とても着心地がいい。白いシャツに、黒い短パン。その短パンは肩にかけるようの紐が付いている。灰色の靴下を履いて、俺は扉を開けた。そのまま階段を降りて、昨日居たリビングに行く。
「アル、準備できたのね。とても似合ってるわ」
キッチンで料理をしていたマリアは顔を上げてこちらに微笑む。マリアはキッチンから出ると、昨日と同じように籠を持ってやってきた。
「さぁ、行きましょう。いっぱいお買い物しましょうね。」
マリアはドアを開けて言った。ドアの向こうには、白い雲がふわふわと浮かんでいた。
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