第7話 クリスマス

 クリスマス前日に咲良は長谷川と一緒に総合ショッピングセンターに来ていた。クリスマスプレゼントを買ってやると言われ、そういえば自分も用意していなかったなと、お互いの物を買いに来た。


「これなんかどうだ?」


 長谷川が指差したのはネックレスとテディベアのセットだ。シルバーのハート型のネックレスで誕生石が選べて、ダイヤモンドも付いていている。そして、つぶらな瞳のテディベアのぬいぐるみは、ピンクとブラウンから選べるものだった。


「!‥‥‥かわいい」


 咲良は思わず呟いていた。

 ネックレスのデザインも好きだけど、触るとテディベアがもこもこで気持ちいい。咲良は迷わずこれに決めて、誕生石のアメジストの入ったものを買ってもらう。

 咲良は貰った瞬間、笑ってしまった。


「アハハ、なにこれ‥‥‥可愛い」


 専用のギフトバックに入ったテディベアは顔と足が袋を破って出てきたような見た目をしている。


「ありがとう」


 そう言った咲良は満面の笑顔だ。


「ああ、気に入ったのがあって良かったな」


 優しく言われ笑顔で頷いた。


 長谷川にも欲しい物を聞くとマフラーと言われた。

 プレゼントは彼の希望で、ブルーとグレーのリバーシブルになっているカシミアのマフラーになった。

 そして夕食の時間までショッピングセンター内を見て過ごした。



 夕食は長谷川が予約していた古民家風のお店で、ライトアップされた日本庭園を眺めながらの和食だ。

 フグや飛騨牛、アワビ、すっぽんなどがでるコース料理で、長谷川は熱燗、咲良は梅酒にした。


 咲良は料理を一通り楽しんだ後、デザートの干し柿ぜんざいを食べながら庭を眺めた。ホテルとは違った良さがある。


(洋食も良いけど、和食も良いわね)


 クリスマスといえばホテルでディナーを思い浮かべていた。でもこれも趣があって良いなと思う。


 デザートを食べ終わると長谷川が「行くぞ」と立ち上がる。そして連れて来られたのは、歩いて数分程の所にあるホテルだった。


 中に入ると、予め頼んでいたのだろう、直ぐにルームサービスのケーキとシャンパンが届いた。


「うわ~、美味しそう」


 ケーキを見て喜ぶ咲良に長谷川が微苦笑する。


「クリスマスだからな」


 そう言ってシャンパンを開けてグラスに注ぎ、乾杯してケーキを食べる。視線を感じて前を見ると、長谷川がフォークを置いて咲良を見つめていた。真剣な眼差しにドキドキしながら尋ねる。


「どうしたの」

「咲良は俺のこと好きだろ?」


 そう言われて顔が熱くなる。顔をまともに見ることが出来ずに目が泳いだ。答えれないでいると、長谷川にもう一度聞かれた。


「好きだろ? 俺のこと」


 咲良は黙って頷き、恥ずかしさにうつむいた。すると長谷川に「それなら、俺と付き合え‥‥‥返事は?」と言われ、うつむいたまま「うん」と返事した。

 長谷川はホッと息を吐き出すと満足そうに咲良にいった。


「今日から咲良は、俺の彼女な」



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女だって遊びたい 7ふぐ神 @7hugu

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