第31話

「……なンなン、マジで」

 先輩にメッセージ送ったのに、返事が返ってきたのは翌日って。

 あたし、もしかしてだけどメンドクサイ感じ? あたしみたいなカワイイ後輩のこと無視するとか……ムカつくンだけど。

「……あたし、やっぱまだ」

 自覚したら、また辛くなるだけだから。だから、忘れようとしてたのに。

 スマホを開いて、閉じて、開いて。

 返ってきた返事もひどい。忙しいからまた今度って……絶対、彼女サンとイチャイチャしてるだけじゃン。

 つか、返事が遅れたのも彼女サンのせいでしょ。いつもなら、半日以内には必ず返ってくる……。

「キッモ! あたし、キッモ!」

 なに、返事がいつ返ってくるとか覚えてンのキモすぎ! 先輩のストーカーみたいじゃン……。

 あたし、やっぱ先輩のこと……ううン、絶対好きだ。

 彼女サンがいるからとか、そんなのどうでもよくて。あたし、好きって気持ちは変わらないンだ。

 ……先輩、今頃なにしてンのかな。


 あたしのこと、ちょっとは考えてくれてンのかな。




────────────────────




「口? 胸? それとも……」

「や、もう元気ないって」

 晴我くんが困ったように笑う。でも、どこか嬉しそうな、幸せそうな顔。

 夏休みに入ってから、暇さえあれば繋がろうとしてた。だって、目の前にごちそうがあったら食べないわけないから。

 晴我くんが大好き、大好き大好き大好き。

 今年は、晴我くんはアルバイトをしないって言ってた。私のためだって、私といっぱい一緒にいるためだって。

 したいことも、させてほしいことも言ってねって。晴我くんはどこまでも優しくて、あったかくて、カッコよくて可愛くて、大好き。

 一日に必ず一回はシようねって、約束してた。

 今年の夏休みは、同棲して、アルバイトもなくて。

 その上、したいこともいっぱいしようねって。

 

 だから、一日に三回はシようねってことにした。


 えへへ、えへへへへ。口も、胸も、手とか足とか……晴我くんにしか許してない場所とか。

 全部、ぜーんぶ、晴我くんのものにされてる。ぜーんぶ晴我くんのものになってる。

 

 私、晴我くんのことで頭がいっぱいだよ。


 晴我くんも、私でいっぱいだね。


 その証拠に、ほら。


「……やっぱ、もっかいだけ」

 

 ───求められるって、幸せ。

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