非現実すぎて……
周りを見渡すとテレビの画面から魔法陣が出てきて、そこからギリシャの女神の服装をした女性が現れた。赤髪でとても清楚のある感じだった。
「お待たせしました」
そう女神らしい人が言うとアズサは腰が抜けるように座り込んだ。
「……へ!? ちょっと待ってくれ……えっ……えっ!?」
アズサはあまりの登場の仕方から驚いた顔のまま硬直状態でいた。
「あ! あの声の人!」
レノフィは女神の声を聞いてとっさに指を指してしまう
「ごめんね……無茶なお願いして。抜けることができない事があったのよ」
女神はレノフィに頭を下げて謝った。どうやら何かしらあったようだった。
「い、いえ……その手紙の意味と目的を教えてくれませんか?」
「えぇ構いませんわ。あなた達に依頼をかけた理由を話します」
丁寧に女神がそう答えゆっくりとソファーに向かい、そのまま座った。
一方のアズサはまだ腰が抜けたままだったため……
「あっ……だ、大丈夫?紡さん」
「ご、ごめん……ソファー座れるまで少し手伝ってくれるか?」
震えた声でレノフィにお願いした。
何とかレノフィの養護もあったため席に座れた。ちなみにアズサの心の中では……
『なぜこうなった……オレは夢を見てるのか? 疲れてるのか? それとも……幻覚なのか!!』
まだ信じられなかったようだがアズサは自分の太ももや手の甲に
「やっぱ……夢じゃない……夢じゃないの」
首をカクンと傾けて少し涙目になる。
「紡アズサさん。夢と思ってますか? 残念ですが現実ですよ……ホラ♡♡」
アズサの腕を女神は掴んで胸を手に当て、
ポヨン♡
「うぉぉぉぉぉ!」
この柔らかい触感……羽毛とは柔らかさと弾力……これぞ男のロマン!
そう考えてるうちアズサは目が覚めた……いや獣になったというべきだ。息が荒くなっており『ハァハァ!』と完全にアウトすぎる顔になっていた。
「いや〜〜夢じゃないんですね〜〜でへぇぇ」
「ふふふ♪ かなりの変態なんですね」
女神は破廉恥な顔でなく。至って普通の反応で笑顔がこぼれていた。
「あわ……あわぁぁぁぁ」
レノフィは顔を赤くして手で隠したが気になって仕方ないか指の隙間で様子を見ていた。
「あ、あの! とりあえず本題を話してください!」
照れた顔でレノフィは女神に勢いよく言った。
「おっと……そうでしたわね。では本題に入りましょうか」
女神は胸からアズサの手を離し、この依頼の目的を告げた。
「あなた達を依頼したのは実は境界線が何者かが崩されたため世界の自由に移動をされてしまったからです」
「ん?それはどういう意味だ?」
「つまりあなたの世界で起きてる行方不明事件は私たちの何者かがこの事件を起こしてます」
女神としたら……かなり非現実な話だがアニメでよく聞くあれなのかな?
アズサは頭の中(エロスも含め)はいっぱいいっぱい整理をしていたが、固く考えることをやめた。
「つまり……アニメでよくある異世界転生や転移のことかな?……」
「そうですね。あなたの世界ではそういうものです」
信じ難い話ではあったけど、ここは信じるしかなかった。女神は目を閉じてこう話した。
「本来起きてはならない掟を破られてるので様々な危機があります……なので異世界に2人は行ってもらい行方不明の人を探してもらいます」
「様々な危機? それはどんなのですか?」
レノフィは危機について聞いてきた。
女神の答えは……
「はい……あなたの世界のように崩壊されてしまいます」
と重い感じで告げられた。レノフィが言ってた崩壊はこのことだった。
「そ、そんな……帰れないのですか?みんなは無事なんですか?……」
レノフィは崩れるように座り込み色々と聞こうとした。
「残念ながら……それは……」
女神は答えを濁すようにして……
「嘘…嘘よ……こんなの」
レノフィは現実を受け止めれず泣き崩れてしまった。
アズサは無言で近くにあったタオルをレノフィに渡した。心中を察してたのか何も言わなかった。
「わかった……その転生や転移で世界が崩れるならオレがその人達を探せばいいんだな?」
アズサは真に受けて仕事を確認をした。
「はい。危険性ある順にそうさせていただきます。ただ。ある条件になりますと人を見つけたとしても、そのまま残ってもらうことにはなります。」
「……」
アズサはこれ以上は深追いはせずに目の前のことを考えていた。
最初は生活が困ってたことが本音だったので受けるしかなかった。だがレノフィの身を考えると拒否する理由が見つからなかった。
「なら受けよう……ただここの世界の探偵業できないから一つ一つクリアしたらお金を出してくれ……そうしないと生活がきつい……」
条件を付けて依頼を受理した。女神はうなずき。
「はい。多分長くなるのでそうさせていただきます。彼女が落ち着いたら異世界へ案内します」
女神はそう告げると光を放ちそのまま消えてしまった……
アズサは受理をした以上、行方不明の人を見つけて依頼人に伝えたかった。ただどうなるかわからない。この先危険が待ち受けてるのかもしれなかった。
「大丈夫かレノフィ?……」
アズサはレノフィを近づき彼女を慰めた
「はい……すいません。まだ気持ち的に……」
混乱をしているのかまだ馴染めなかったようだ。彼女の服装を見てシャーロック・ホームズが来ている探偵服の格好だったので
「と、とりあえず食べに行かない?……そこで話をしよう」
気持ちを落ち着かせるため一度ある場所を連れてくことにした。ただ彼女の身に何があったかわからないが別世界の人間ということがわかった。
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