異世界探偵アズサ ~異世界事件簿〜

四季巡

プロローグ

不思議な依頼

 〇前書き

 こんにちは。邪道かもしれませんがよろしくお願いします! ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 ここは木ノ重町このえちょう。昔ながらの昭和らしい下町が現在でも残っており、懐かしの喫茶店や商店街などがあった。

 そんな商店街の出口付近で疲れた様子でとぼとぼ歩き死んだ魚の目をした男がいた。

「ぁぁぁぁぁぁ! つかれた〜〜」

 彼はつむぎアズサ。紡探偵事務所の探偵である。髪は茶髪で顔立ちは中々のイケメンだ。

「んーー! 帰ったら寝るか」

 体を伸ばし疲れきっていた。ちなみに彼は依頼を朝の七時から夕方の十七時までやったが、収穫がなかったため一度切り上げたのだった。

 とてもクタクタで足が張るほどだ。

 そして彼は二階に上がり家でもある事務所に着いた。そのまま事務所スペースのソファーにバタッと勢いよく寝転んだ。

「……。飯買うの忘れた〜〜……。でも寝よ」

 ご飯を食べずにそのまま寝ようとしていた。

 ちなみに彼は高校一年だった。学校は通信制に通ってたので、特定の日以外は登校はしなかった。すると、

 コンコン!

 とノックが聞こえた。

「すぅ……すぅ……」

 さすがに疲れてたので不貞寝しようとした。

 コンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコンコン!

 早く出てこい!と連想させるほどノックが続いてた。

「あーー! もう! 今行きます!」

 ソファー近くのクッションを怒りをぶつけるように投げつけた後、事務所の玄関に行く。イライラした中でズカズカと歩き、ドアを開く。するとそこには女の子が立っていた。

「あ、あの〜紡さんですか?」

 イギリスの探偵の服を着ていて、水色の瞳で金髪のツインテールの女の子だった。しかもナイスバディだ!

「おぉぉ……」

 あまりの可愛さと綺麗な体だったので、変態な目付きで見とれてしまう。

「あ、あのーどうかしましたか?」

「おっと……。ごめんね。オレがつむぎだがどうした?」

 うっかり悪いクセが出てしまった。依頼人だったら色々と後でめんどくさくなるので気持ちを切り替えた。

「依頼ですけど、いいですか……?」

 少し挙動不審と言うか引っ込み思案な感じだった。外国人? と言うこともあったので仕方ないとアズサは思っていた。

「とりあえず入って。話は中で聞くよ」

 アズサは女の子を事務所に入れてソファーに座るように誘導をした。ソファーに座った彼女は不安そうに事務所の周りを見渡していた。

 アズサは気にせずにそのまま急須に玉露茶を入れてお茶の準備をした。

 少し沈黙していたがお茶ができたので、ソファー近くのテーブルに湯呑みを置いてお茶を入れる。

「日本茶だよ。口に合うかわからないけどどうぞ」

「あ、ありがとう……紅茶とは違って緑色だ……」

 女の子は恐る恐る玉露茶を匂いを嗅いでゆっくりとすする……。

「お、おいしぃ……!」

 静かな感じだったがお口があったようだった。アズサは彼女の反対側に座り、一度お茶をすすったあと本題を入ってみる。

「あのさ? 今日中は無理だけど依頼の内容聞いていいかな?」

「あ、はい。私の名前はレノフィ・シェイムです。紡さんにお願いがあります。」

 レノフィはポケットから古びた紙を出てきた。それは英語でもなくアラビア語でもない文字が書かれていた。

「……? なんだいこれ文字が読めないが」

「あ、すいません……私が読みます。」

 レノフィは紙を緊張気味ながらこう読み上げる。

「紡アズサ。あなたには依頼を送ります。依頼はあなたの世界で行方不明になっている人達の探索と生存の確認をしてもらいます……」

 行方不明か……。アズサには心当たりがあった。

 最近になってから10~30代の若者たちが行方不明が続いてた。今日はその聞き込みをしたが何も見つけられなかった。

 ただ気になることがあった。それは『』という言葉だった。それはどういうことだろうか。そして疑問があったので一度話を止めるように質問をした。

「ちょっと待ってくれ」

「な、なんでしょうか?」

「あのさ君ってもしかして代理人か?」

 代理人。つまりレノフィは依頼主でないことが分かった。手紙からして上司に代わりに使い人として送られたと考えていた。

「は、はい……。なんと言うか……。その」

 レノフィは人差し指をいじいじとしていたので詳細が知らない印象があった。

「私……。知らない世界に送られて。この文字を目印のものを探してとお願いされたの」

 少し情緒不安定な感じに言い、窓の事務所のステッカーを指でさしてきた。

「へ? 知らない世界?」

 知らない世界か。なぜそう言うのかわからなかった。だがわかったことがあった。ここに来たことに混乱しているということだった。

「……とりあえず依頼の話でないけど質問をしていいか?」

「え? は、はい?」

 アズサは立ち上がりレノフィの周りを歩きながら。

「最初の質問は『どこから来た』?」

「ロークレンです……」

 レノフィの顔色や声色を伺ったが嘘はなかった。

『ロークレンか……。多分地方でもそんな名前は聞いたことない』

 もしかしたら認知が低いところだろうと考えて、次の質問をする。

「次はなぜここに来たの?」

「ロークレンがいきなり崩れて……。それで意識を失ったらここにいました……」

 消えた? 意味はあまり深く考えなかった。ただ現実ではありえないことが起きたと言うべきかもしれない 。

 そしてアズサは歩き回りつつも、人差し指を立てて最後の質問を聞いた。

「最後に……。なぜここへ?」

「女の人の声で……。この手紙とあの文字を目印にして依頼して欲しいと言われました」

 なるほど……。いきなりこんな事をさせられたということになる。彼女の様子を見ると疲れてるのが目に現れていた。何時間以上も知らない所に回っていたんだろう……

「わかった……。それでその手紙の指示でか……」

「はい……。あっ、まだ全文読めてませんけど読みましょうか?」

 彼女は慌てて手紙の続きを読む体制でいた。

「まだか……? 全部読んで」

 アズサは続きが気になっていた。ただ彼女を巻き込むほど何かあったのは違いなかった。もしこの依頼が行方不明と関係あるのなら、かなりの大きい仕事とも言えた。

「続きは……。その依頼の報酬として5000万と家族の情報を渡す……。と言うことです」

「!?」

 家族……。それはアズサがまだ10歳の時にいなくなった父と母のことだった。まさかこの依頼が関係するなら……

「…………。えぇぇぇぇぇ!?」

 いきなりレノフィは大声で叫んでいた。

「な、なんだよ大声出して?」

「あ、あの……。助手になれと……」

 彼女はワナワナしながら驚きを隠せなかった。

「はい?」

 助手? どういうことかわからないが言われても困っていた。

「あなたの助手になるという事です……。この手紙に書いてあります〜〜!!」

 レノフィは涙目になってオレに訴えかけた。

 そんな事言われてもアズサは困っていた。ロークレン自体がどこにあるかわからない。

「私はロークレンに帰りたいの〜〜! こんな所に居たくないよ〜〜!」

 彼女はホームシックのせいか泣いてしまった。

 それにまだ収集はついてなかったので、どう答えるか迷う。しかもここの国の者でないとしたら、アズサは心を傷んでしまう。

「待たせてしまってすいません。今来ましたわ」

 するといきなりレノフィとは違う声が聞こえた。とっさに周りを見渡して。

「おい誰だ……?」

 するとテレビの画面から魔法陣が浮かんで……


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