相沢さんとの会話

いい加減この騒動を終わらせなくちゃいけない。そう思って相沢さんの誘いに乗って、近くでやっていたファミレスに入って、空いてる席に座ってみたものの……


(な……何を話せばいいのか分からない……!!?)


よくよく考えたら、私は若干コミュニケーションが苦手で、相沢さんもあまり話すタイプではない。そんな2人が2人っきりになっていざ同じ席に座ったところで話が続く訳がなかった。


(西園寺さんが欲しい……!いや……西園寺さんが来たら余計に会話が出来なくなるだけか……)


今思えば西園寺さんがいたから私達はまともに会話出来たんだなと実感した。しかし、このまま黙って座ってる訳にもいかない。意を決して私から話しかけようとしたら……


「あの……奥様……奥様は私に嫉妬しているのですか……?」


意を決して発言しようとしたら、先に相沢さんからそう言われて私は思わず吹き出してしまう。確かに、私のこの感情は相沢さんへの嫉妬ではないかと薄々思っていた。けど、それを認める訳にはいかない。それを認める事は……私は……西園寺さんを……


「ち!?違うわよ!?その……えっと……」


言い訳しようと思ったけれど、全く言葉が出てこなかった。これじゃあ肯定だと言ってるようなものだ。現に、相沢さんは「やっぱり……」と呟いているし……


「分かりました。とりあえず今は違うという奥様の意見をそのまま受け取る事にします。その上で、私の話を聞いてもらえますか?」


相沢さんがいつもの無表情で私を見つめてそう言った。私は黙って首を縦に振った。


「ありがとうございます。では……私は例えお嬢様とこの地球でたった2人になったとしても、私がお嬢様を好きになる事はありませんし、お嬢様も同様だと思います」


相沢さんは無表情だけどどこかスッキリした様子でそう言い切った。私は、そんな相沢さんを見て思わず口をポカンと開けて呆然と立ち尽くしてしまった……

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29歳独身で「行き遅れのババァ」と言われた女教師の私が、結婚する事になりました。教え子の女子高生と…… 風間 シンヤ @kazamasinya

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