まさかの告白と……

そして、放課後……


私は何やら色々とデジャヴは感じたものの、手紙の指示通りに屋上へ向かっていた。


「まさか……やっぱり藤村君はあの「果たし状」を出してきた子なの……?」


私が頭の中によぎった考えはそれだった。藤村君と「果たし状」を送りつけてきた子は見間違う程よく似ている。だから、藤村君=「果たし状」を送りつけた子の式図が私の頭で成り立ったが……


「けれど……ネクタイの色が違うのよね……」


この私立藍那高等学校は前に説明した通りネクタイの色で学年を分かりやすくしている。そして、2年生に進級した時、1年生の時に使ったネクタイは回収され、新しい2年生用のネクタイと交換する仕組みになっている。もちろん、3年生に進級した場合も同様である。故に、前の学年の時に使ったネクタイは所持している可能性はないに等しい。


「……とりあえず、まだ何の用事か分からないんだし、会って確かめてみましょう……」


私は屋上への扉の前にたどり着くと、一旦深く深呼吸をした後、扉をゆっくりと開けた……



「先生。来てくれて嬉しいよ」


扉を開けた先には、藤村君が笑顔で私を出迎えてくれた。どうやら、私より先に来て私を待っていてくれたようである。


「ごめんなさい。待たせてしまって……」


「大丈夫。そんなに待ってないよ。それに、先生を待つ時間も俺にとっては大事な時間さ」


藤村君はよく言う甘いセリフを吐く。普通の人が言ったらドン引きされるセリフだが、藤村君程のイケメンだと、普通にカッコよく聞こえるからイケメンパワーって凄いなぁ〜と内心感心してしまった。


「それで……藤村君。話ってなんなのかしら?」


私はすぐに本題を切り出すと、藤村君は何故か少し恥ずかしそうにしながらも、意を決したような表情で私の方を振り向き


「先生……俺……先生の事初めて会った時から好きなんだ……!」


「……はい?」


藤村君のまさかの告白に、私は思わずキョトンとした表情になる。藤村君が……?私の事を……?そんなまさか……あぁ、もしかして罰ゲームで好きでもない誰かに告白しろとかいうのかしら?


私がそんな風に色々考えを頭の中で巡らしていたら……


ダンッ!!!


「へっ?ちょっ!?藤村君!?」


急に私に迫ってきた藤村君に、私は思わず逃げ腰になって後ずさるも、アッサリとフェンスまで追い込まれてしまい、そして、藤村君は私を逃すまいと言わんばかりに両腕を私を囲うように伸ばして両手でフェンスを掴んだ。

私は自分が今されてる状況が分からずに思わずしゃがみ込んでしまうが、藤村君は私の瞳すら逃さないと言わんばかりに私をジッと見つめ


「先生は結婚してる事は分かってる……でも……俺……自分の気持ちを抑えられないんだ……」


「えっ!?ちょっ!?待って……!?藤村君……!!?」


藤村君は私と目線を合わせるようにしゃがみ込んだと思ったら、フェンスを掴んでいた両手を、私のワイシャツに伸ばし、そして……


プチンッ!!


「きゃあぁ!!?」


藤村君は無理矢理私のワイシャツの外そうとした為、私のワイシャツのボタンが二つほど飛んでいってしまい、私は思わず悲鳴を上げてしまう。


今現在でも衝撃的な事が起きているが、更にこの後衝撃的な出来事が起きる……


パシャ!!


「えっ!?」


突然カメラのシャッター音がして、私は今自分がされている状況も忘れて思わずそちらを振り向くと


「先生。見ちゃいましたよ」


そこにいたのは……数日前に私に「果たし状」を送りつけた彼が、ニヤリとした笑みを浮かべて、その右手には見せつけるようにスマホが握られていた……

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