あっという間に1週間が過ぎてしまっていた!?
西園寺さんと結婚という形に至って1週間が経過していた。私はその間、西園寺さんが想像していたようなお嬢様とは違うんだと再認識するに至った。
まず、私の勝手なお嬢様像として、お嬢様は高級食材ばかり買うというイメージがあったのだけど、西園寺さんは本当に自分で言っていた通り、食材の買い出しは市場やスーパーなどで行っていた。しかも……
「おじ様。こちらの大根少しおまけしていただけないでしょうか?」
なんとあの西園寺さんが値切り交渉までしたのである。いつもは厳つい顔した市場の八百屋のおじちゃんも、西園寺さんのような美少女に微笑まれ、デレデレになってアッサリおまけして、奥にいた奥さんに無茶苦茶怒られていた。
それから、料理・洗濯・掃除も全て西園寺が完璧に行ってくれた。一応、身なりを気にしなければいけない職業ではあるので、掃除や洗濯はきちんとやれてるつもりだったのだけど、西園寺さんが掃除・洗濯を行った事で、部屋は全てピカピカ。ワイシャツや私服は汚れ一つも目立たない綺麗な仕上がりになっていた。同じ洗剤や道具を使っているはずなのに何故こうも違うのだろうか……
そして、あまりにも西園寺さんが家事が出来るのをビックリした事を思わず呟いたら……
「まぁ、それでもやはり桔梗のようには出来ませんけれどね」
「お嬢様。私は仮にもアメリカの家政学校を首席卒業してる身です。そんな私より家事が出来たら私の存在価値が無くなります。まぁ、今現在も無いに等しいですが……」
と、相沢さんとそんな会話を交わしていた。
ちなみに、相沢さんはアメリカにあるというメイドや執事を育てる学校をわずか10歳で卒業した超エリートらしい。故に、家事はもちろん。スケジュール管理・経済管理・要人を守る為の護身術などなど……様々な事が出来る超エリートメイドらしい。本当は、すでに大学卒業の過程までいっているのだが、西園寺さんの護衛の為に高校に通っているとの事。西園寺さんも優秀だとは思っているけど、相沢さんもかなりの優秀な人物だった……
さて、ここまで話すと西園寺さんがお嬢様の割にどケチじゃないか?と思われるかもしれないけれど、そこまでどケチという感じでもなかったりする。
先程の食材に関しても、それがちゃんと適正な価格だったらその値段で購入しているし、何より、家具や家電などは少々高いと感じる物でもすぐに購入する。私はそんな高いのを買わなくても……と言ったら……
「先生。家具や家電などの長期まで使う物は少々高くても長持ちする質のいい物を購入した方が経済的に見ても一番良いのですよ」
と、返されてしまい私は何も言えなくなってしまった。
こうして、私は1週間西園寺さんと暮らして、西園寺さんの様々な面を知った。そう。西園寺さんと暮らしてもう1週間が経過したのである……
って!?何やってるのよ!?私!!?前の話で私が固めた決意を忘れたらダメでしょうがぁ〜!!?
私は1週間西園寺さんとの暮らしに馴染んでしまった己を内心で叱責し絶叫した。
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