29年生きてきた中で起こしてしまったとんでもない過ち
意外に響くスズメの鳴き声で私の意識が徐々に覚醒し始める。う〜ん……なんか今日は一段とスズメの鳴き声が頭に響く気がする……というか……やたらと頭がズキズキと痛む気がする……
そこで私は、ゆっくりだが昨夜の出来事を思い出し始める。確か、昨日は田中君のお調子発言や、教頭のセクハラ行為で、色々鬱憤が溜まっていたので、いつもの行きつけの居酒屋の「春秋夏冬」に立ち寄ったら、そこであの「高嶺の花」「学園のマドンナ」と評される西園寺がアルバイトしてて、西園寺さんが丁寧にお酌してくれるものだから、ついついいつもより気持ち良く飲み過ぎてしまって……その後は……
ダメだ……その後が全く思い出せない……とりあえず、私は薄っすらと目を開ける。すると、そこにはすっかり見慣れた天井。私のマンションの部屋の天井だった。あれ?私……どうやって自分の部屋まで帰って……
が、違和感はそれだけじゃなかった。何故か布団の感触が肌に直接感じる気がする……えっ……もしかしなくても……私……全裸で布団に入ったの……?
今まで、風呂に入るのも億劫でスーツのままで眠ってしまった事は何度もあった。もちろん、起きた時にちゃんとお風呂入ってますよ。けど、全裸で布団に入ったまま寝たような事は一度もない。私は裸族派じゃない。
それに……違和感はそれだけじゃない……何故か右隣に人肌のような温もりを感じる……29年独身を貫いてきた私が親以外で感じた事がない人肌の温もりを……私は恐る恐る右隣を振り向いて確認すると……
「……ん……?……す〜……」
そこにいたのは…………先程話に出た「高嶺の花」「学園のマドンナ」と評される、私の受け持つクラスの生徒でもある西園寺 遥香だった。しかも、彼女も私と同じく全裸だった。
彼女は、いつもは凛とした美しさが際立つ顔をしているが、寝顔は18歳の年相応な可愛らしさがあり、きっと、イケメンな男子だったらこの可愛らしさの寝顔に我慢出来ず、頰にキスして起こしちゃうような展開があるかもしれない。
が、残念ながら私は29歳独身の「生き遅れババァ」なんて言われている女教師だ。私は完全に目が覚め、二日酔いっぽい頭痛の痛みも吹っ飛び、慌ててガバッと飛び起きた。
「えっ!?嘘!?まさか!?そんな!?そういう事なの!!?」
私と彼女しかいない部屋に、2人で全裸で布団に入ってる理由。なんでそうなったのか……どう考えても理由なんて一つしか思い浮かばない。しかも、昨夜はお酒をすすめられるままに飲み過ぎている。私はお酒が強くない方で、飲み過ぎるとすぐに寝落ちしてしまう方だと思っているけれど……
けど、もし……昨日……色々言われりされた事に腹が立って、しかもしかも、上手く私を慰めてくれる人につい甘えてしまい、その甘えたままの勢いで間違いを犯してしまったとしたら?…………可能性が絶対ないと言い切れないだけに最悪な状況だ。
「……ん〜……?先生……?」
私が飛び起きたせいで掛け布団が剥がされたせいで、目が覚めたのか、西園寺さんが目を軽く擦りながら私を見つめる。その仕草も可愛くて、男子女子問わず思わず悶えてしまうだろうが、今の私はそれどころではない。
「あの……!?西園寺さん……!この状況は……!!?」
「ん〜……?あぁ、そうでしたね」
私は自分でも顔が真っ青になってると自覚しながらも西園寺さんにそう尋ねた。西園寺さんはこの状況をようやく理解したのか、ゆっくりと起き上がり、私に向かってそれはもう誰もが見惚れるような満面の笑みを浮かべ
「先生♡責任……とってくださいね♡」
彼女のその言葉で、私の顔が青から白へと変わっていくのを実感した…………
教師生活の中で……いや、生まれて29年間の中で、私は……どうやら……とんでもない過ちを犯してしまったと言うのおぉ〜ーーーーーーーーーー!!!!!!?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます