喜んで♪


 すると、つかつかと美子さんが、ナスターシャさんの手を取ります。

「踊っていただけませんか?」

「喜んで♪」

 再び曲は美しき青きドナウ、大歓声です。


 踊り終わると、さらに美子さんがエステラさんの手を取ります。

 曲は流れ続けています。

「踊っていただけませんか?」

「喜んで♪」

 エステラさん大満足、ピッタリとくっついています。


 いまだ曲は流れ続け、

 美子さん、さらにつかつかと、今度は聡子さんの手を取りました。

「踊っていただけませんか?」

 一瞬真っ赤な顔をした聡子さんでしたが、すぐに満面の笑みを浮かべ、

「喜んで♪」

 

 こうしてお昼時間は終わったのです。

 結局、女学生の皆さんは、踊りの休憩時間にご飯をかきこんでいたようです。


「少し疲れたわ……でもごめんなさいね、我儘をしてね」

 三人のインペリアル・シスターと一緒に、お昼のお弁当を食べながら美子さんが謝っています。


「いえ、ただ驚きました、ロシア大公女とイギリス王女ですから……」

「政治的な都合なのよ」

 三人は関係者、守秘の魔法が掛かっています。

 それがチョーカーとリングの力です。


「私は詳しく分かりませんが、日本はマルスへ行けるのですか?」

 朝倉麻子さんが聞きます。

「皆さんの処女を頂くつもりです、その代わりが火星の都市ですね、そういえば洋子さんは、もう頂いて私の女でしたね」


「そうです、私は美子さまに全てを捧げています♪」

「私はいつでもこの身を差し出します!」

「私も!」


「卒業までには頂きます、もうこうなったら約束いたします」

「今度火星に招待しますから、皆さんの犠牲がどれだけのものか確認して下さいね」

「麻子さんにも、東京ハウスに個室を用意いたします、詳しくは洋子さんに聞いてください」


 そこへナスターシャさんたちがやってきました。

「まさか美子様と踊れるなんて、見に来て良かったです」

「でもクセーニャさんとブレンダさんとは踊っていませんね、ごめんなさいね」

「一度皆で舞踏会でも催しますか?」


「そうですね、今回の事を聞けば、アリシアやディアヌが黙っていませんから」

 と、聡子さん。

「ではケーニッヒベルク城ではどうですか?」

「それならウォリック城もあります」


「まぁまぁ、エカテリーナさんと後で相談しておいてください、ところでランチは食べたのですか?」

「東京ハウスで、サンドイッチを作ってくれました、この頃、質素な食事になれましたから」

 エステラさんの言葉に、皆で笑っています、やはりプリンセスです。


「そういえば、ラストダンスはどうなるのでしょうね?」

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