お花摘み 其の二


 美子はそのままトイレの裏に回ります。

 

 えっ!!!


 そしてレディースパンツのチャックに手をかけ、パンティーの中に手を入れます。

 余りの事に声も出ないクローイさん。


 なんと美子は委細構わず、クローイの壊れている場所に、手を突っ込んだのです。

 三十歳を少し超えているのに、恥ずかしさに身体が震えます。

 と、美子が手を抜くのです。

 

「これで子宮と肛門は治りますよ、子を授かることも可能でしょう」

「でもこの後、下腹部はかなり重い生理痛のような症状が始まるでしょうが、貴女なら耐えられるはずです」


「とにかくこれを付けときなさい、子宮と肛門が再生する時、おりものもお漏らしも、止められませんからね」

 どこから出したのか、大人用のおむつを差し出します。

 クローイさん、もういいなりです。


 とにかく二人はおトイレに。

 本当に美子さん、行きたかったようですね。


 クローイさん、トイレの便器に腰かけた頃には、言われた通り、経験したことの無いような生理痛が襲ってきます。

 さらに下痢とおりものが大量に……

 とにかく、何とか大人用のおむつをつけたクローイさん、そこでふと気がついたのです。

 早く出なければ、あの方が行ってしまう。


 慌てて出ると、美子が待ってくれています。

「生理痛はもうすぐ収まります、子宮と肛門は再生していますよ、勿論手術の傷跡も治るでしょう」


「本当は代価がいるけど、今日は気分がいいのでまけてあげます、後日、何かおごってもらいましょうかね」


 美子はそういうと、すたすたと歩いていきます。

 慌ててクローイさん、付き従っています。


 富田沙織は、トイレから帰ってくる二人を眺めながら、

 ……やはり、なにかあったのね、この短時間でエッチは無理としても、カナダの外人さんを拾ったわね、素早い……

 美子さん、聞かれる前から弁解など始めます。


「いや、何もしていませんよ、本当ですよ、悪さなんかしていません!怪我を治して差し上げただけです」


「怪我を治した?代価はどうされるのですか!やはり拾ったのですね!」

 出会った頃は、お淑やかで穏やかだった沙織も、今ではなかなかどうして、美子さんタジタジです。


「今日は気分が良いので代価は格安、後日何かをおごってもらおうかと……」


「気分がいい?」

 

「多大な犠牲を払って、数多くの世界を何とかし、いまその世界の一つが、このように平和を謳歌しているのよ」

「私の行いは報われているのです、これが喜ばれずに何を喜ぶの?」


「吉川様……」

 

 盆踊りの一回目が終わります。

「あら、アリスたちが戻ってくるわ、一回目終わったのね」

「途中で消えるのだから、何処へ行ってたのですか?」

「『お花摘み』へ」

「大きいほう?」

 アリスさん、かなり大きい声ですよ。


「アリス様!」


 しかし一切気にしないのがアリスさん、爆弾発言をします。

「トイレ?誰に水芸させたの?そこにいる人?また拾ったの?」


「アリスお姉さま、真実をはっきりというものではないわ、拾ったという真実は隠すものよ」

 ココさん、フォローしているつもりのようです。



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