伝えたい声

浮かぶ涙の記憶の波の終わりごろ

君がいつしか私に呟いた

「もしかしたら、僕、偽善者かも知れん」

という言葉を流しきることが出来なかった

私は違うと思った


あの日君が私に言った時

君はどこか悲しそうな表情で

普段の君とは違う声のトーンで

私に呟いていた


君は、私達の前では良くも悪くも嘘を上手くつくことは出来ない

って私は思ってる

だから違うと思った


それに色々な人に言われた

『本当の偽善者なら自らを疑う事は無い』

その言葉を思い出した


そして、その日

「自分の本心がわからない」

と私に一緒に言ってたね


君が学校で友人と一緒にいて楽しいと思えているなら

君が学校で友人に言われた一言で怒りを感じるなら

君が家庭で両親に言われた事で苦しみを感じているのなら


きっとそれも本心だと思う


君の周りは温度差がすごいだろうと思う

その温度差に君が耐えるために

選んだひとつの形がきっとこうなんだろうなと私は考えた



君は、私よりも強くて、優しくて、周りに愉快な仲間、誰かを助けられる力を持っている


辛くなったらいつでも助けてくれる仲間はいるんだから

どうか私のように自分を追い込んでしまわないで



そう1人泣きながらもう届けられない声をだした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る