零れた記憶

制服に着替えた僕は時計をみて驚いた

普段より遅くどう足掻いても遅刻だったから


ベッドと鏡で見た自分の顔で何かに気が付いた


あぁ僕はあの人のことを忘れられず泣いたんだと


それに気付いた今再び涙が零れ落ちた

ひとつの事実にどんな形であろうと気づく度

僕らの心に大きく深い傷をつくる

大好きだった兄も…弟も…亡くした

私の心を

何度でも抉っていく


あれ…私に…わ…ワタシニアニナンテイタッケ?

ボクハダレダ…

ボクハズットナイテイル

理由ナンカボクニハワカラナイ

タダアフレル涙ハトメラレナイ

トマルコトナイ涙ハ静カニナガレテク

ボクハアノヒトヲ……

アノヒトッテ… 誰……


僕の想っているあの人って?

どうしてそんなに想い続けている?

一つ一つ何かが脳裏に浮かぶ度

一粒一粒涙が重力により落ちていく


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