第74話 三試合目の〇〇少女

「よし! 絶対に勝つぞ! 勝って友達100人作るんだ!」

「おお!」

 姉の真理亜のチームのスローガンである。

「それはどうかな?」

 敵チームの悪い少女のカリアが不敵に口を挟む。

「アリアちゃん!?」

「しまった!?」

 一瞬で魔法少女アリアが呪われて動けなくなってしまった。

「これはオリアちゃんの呪い!?」

 姉は敵陣営の友達のオリアを見つめる。

「おっおっおっ。」

 呪い少女のオリアの動きを止める呪いが隙を見せた魔法少女に炸裂した。

「ズルい!? まだ試合は開始してないわよ!?」

 抗議する姉。

「あなたたちがはしゃいでいて聞こえなかったんじゃないの? カッカッカ!」

 してやったりの悪役少女の笑い声が響き渡る。

「勝者! 呪い少女!」

 試合が開始もしていないが悪少女チームの中堅、呪い少女の勝利が決まった。

「く、悔しいー!?」

 本気で悔しがる姉。

「すまない。みんな。私が油断していたばっかりに。」

「いえ、それより試合中なのに名前を付けてもらって、うかれていた私たちが悪いんです。」

「そうです。そうです。」

 スライム少女のスリアラとスクランブルスクエア少女のスリアクが反省する。

「それにしても相手の中堅がオリアちゃんとは!? これ如何に!?」

「てっきりオリアは副将で、敵の大将がカリアだと思っていたわ。」

「ということは・・・・・・敵の大将は、強いか弱いかのどちらかだ!?」

 謎に包まれた敵のメンバー編成であった。

「それにしてもオリアちゃんが出てきたとなると強敵だわ。不用意に姿を見ても呪いの餌食になってしまう。どうすればいいの?」

「私がタイキックで吹き飛ばそうか?」

「ダメよ!? あれはお友達のオリアちゃんなんだから!」

「なんとかオリアちゃんを傷つけないで、名探偵少女に戻す方法を考えないと。」

 強敵、呪い少女の登場に姉たちは悩んでしまう。

「私が時間を稼ぎます!」

「イリアちゃん!?」

 次鋒に立候補したのはゾンビ少女のイリアだった。

「相手はアリアちゃんにも呪いをかけちゃうような強敵なのよ!? 危ないよ!?」

「大丈夫。私はゾンビだから、死んでも夜には復活できるから。アハッ!」

 便利なゾンビ少女の設定である。 

「それに真理亜ちゃんは私の希望だから。」

「希望? 私が?」

「だって私の初めてのお友達なんだもん! アハッ!」

 笑顔で武踏会上に向かうゾンビ少女。

「イリアちゃん、ありがとう。私なんかと友達になってくれて。戦いが終わったら、うちに夕飯を食べに来てね。イリアちゃんの大好物のおはぎも用意しとくからね。」

 感極まる姉。

「さあ! こい! オリアちゃん!」

 気合の入った戦意の高いゾンビ少女。

「ギャアアアアアアー!? 溶ける!? 真理亜ちゃん!? さようなら!?」

 一瞬でゾンビ少女の体が呪い少女の呪いのエネルギー破で溶けていった。

「オッオッオ!」

 恐るべし戦慄の呪い少女オリアであった。

 つづく。

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