第71話 スライム少女
「ぽよ~ん。」
「え!? なんか、ぷよぷよしてるんですが?」
舞踏会上にあがった魔法少女のアリアが見たものは、悪い少女のカリアのチームの先鋒だった。
「私たちのチームの先鋒は・・・・・・スライム少女よ!」
「スライム少女!?」
「遂にスライムも少女になったか!?」
衝撃を受ける姉の真理亜。
「当然だ! 雑魚キャラの定番といえばスライム! スライムを少女にしなかったら、こっちがファンに怒られるわ!」
「ごもっとも。」
思わず納得させられる姉。
「他にもゴブリン少女とか、ウルフ少女、蟻んこ少女とか、お化け少女とか、いっぱいいるよ。アハッ!」
「笑ってる。」
悪い少女も笑う時には素直に笑うのである。
「私のお友達だ! アハッ!」
ゾンビ少女のイリアはお化け少女などの夜行性の少女は全員お友達である。
「はしゃがないで!? イリアちゃん!? 今は戦時中よ!?」
「は~い。」
これで前振りが終わる。
「それでは戦いを始めてください!」
レフリー少女の掛け声で、いよいよ戦いが始まる。
「がんばって! アリアちゃん!」
「溶かせ! 飲み込め! 自爆しろ!」
両陣営から様々な応援が大声で送られる。
「なんかズレてない?」
妹の楓は敵の応援に疑問を感じる。
「酷い! それが友達に言う言葉なの!?」
「知るか! どうせ私は悪役だ! スライム少女など友達ではない! 人数合わせのゴミだ! カッカッカ!」
「そんな・・・・・・。」
姉と悪少女の激しいやり取り。
「しょぼ~ん。」
それを聞いてしまったスライム少女はガッカリしてやる気をなくす。
「気の毒だな。悪い友達を持って。」
魔法少女のアリアがスライム少女に話しかける。
「この戦いが終わったら、私と友達にならないか?」
「ぷよ?」
「本当は友達って温かくて優しいものなんだと思う。うちの真理亜ちゃんを見ていたら、そう思えてきたんだ。一緒に遊ぼうよ。アハッ!」
魔法少女は魔法の笑顔をスライムに笑いかけ、救いの手を差し伸べる。
「ぷよぷよ!」
スライム少女は魔法少女の手を取って喜んだ。
「私たちは、お友達だ!」
魔法少女は新しい友達を手に入れた。
「そうぷよ! お友達はお友達を戦わせたりしないぷよ!」
友達が出来たことでスライム少女は新しいスキル、言葉が話せるようになった。
「ええー!? スライム少女が喋った!?」
悪少女のカリアはスライム少女に冷たく接していたので、お友達の可能性に気づかなかった。
「お友達の可能性は無限大だ! アハッ!」
「そうぷよ! アハッ!」
魔法少女とスライム少女はお友達になり友情と絆を笑顔で結んだ。
「魔法少女の勝利!」
レフリー少女が魔法少女の勝ちを宣言する。
「やったー! 私たちの勝ちだわ! アハッ!」
勝利に喜ぶ姉たちであった。
つづく。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。