第70話 思わぬ救援

「いいわよ! 私は必ず! オリアちゃんを取り戻す! 正しい道に更生させてみせる!」

 姉の真理亜は呪い少女になってしまったオリアを奪い返すと宣言する。

「なぜ、そこまで拘る? たかが少女一人ではないか。」

「それは、オリアちゃんが私のお友達だからよ!」

 姉はオリア救出の動機を悪い少女カリアに言い放つ。

「・・・・・・。」

 ビクッと呪い少女が少し動いた様に見えた。姉の声は呪い少女になってしまったオリアに届いているのかもしれない。

「くだらない。何が友達だ? 友達なら友達が悪いことをしないように止めるんだな! カッカッカ!」

 悪い言葉を言う悪い少女。

「そうね。後悔してる。あなたなんか悪い少女が近づかないように、もっとオリアちゃんの側にいれば良かったわ。」

 姉は、もっと名探偵少女の周囲を気にしていれば良かったと悔やんだ。

「私は私の友達を取り戻す!」

「やれるもんならやってみろ! 悪が滅びることはないのだ! カッカッカ!」

 こうして○○少女武踏会が開始された。

「でも、どうしよう? 私たち四人だけで、カリアに勝てるかしら?」

「う~ん。数的不利だわ。」

 不安になる姉たち。

「私も一緒に戦います!」

「シスター!?」

 現れたのは教会少女のシスターキリアであった。

「大した戦力にはならないけど、友達が困っていたら助けたいの! 少しでもお役に立ちたい!」

「ありがとう! キリアちゃん! 私たちは友達だよ! アハッ!」

 教会少女から勇気をもらった姉に笑顔が戻る。

「これで互角の五人対五人よ!」

「そんな数合わせで私に勝てると思うなよ! カッカッカ!」

「負けるもんですか!」

 やっと戦いの準備が整った。

「お友達がいれば何でもできる! ファイト!」

「オオー!」

 円陣を組んで気合を入れる姉たち。

「先鋒! 前へ!」

 レフリー少女が先鋒に舞踏会に上がるように指示する。

「ここは私がいって、タイキックを派手に決めてくるわ。」

「サイキックよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 お約束の展開。

「待て、ここは私が行く。」

「アリアちゃん!?」

 姉を呼び止めたのは魔法少女のアリアだった。

「真理亜ちゃんには、敵の大将の悪い少女を倒してもらわないといけない。それに向こうには呪い少女になったオリアを正しい道に呼び戻さなけれないけない。これはただの戦いじゃない。お友達救出作戦だ。」

「お友達救出作戦!?」

「私を友達と信じてくれるなら、ここは私に任せろ。」

「分かったわ。アリアちゃんを信じる。だって、お友達だもん。」

「ありがとう。」

 姉のチームは先鋒が魔法少女に決まった。

「行ってきます。」

 いざ、○○少女武踏会の始まりである。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る