第69話 武踏会、開始。

「どうしよう?」

「どうしたの?」

「オリアちゃんが来ないの。」

「何かあったのかな? 最悪は私たちだけで戦わないといけないわね。」

 姉の真理亜たちの中に名探偵少女のオリアがいなかったので、仲間たちは心配していた。

「名探偵少女なら、来ないわよ。カッカッカ!」

 そこに悪い少女のカリアが現れ去って行く。

「なにー!? 嫌味な言い方ね!?」

「なんだろう? 嫌な予感がする?」

 姉の真理亜とお友達たちは不安になる。

「そろそろ決戦の時間ね! いこう! みんな!」

「おお!」

 姉たちは決戦の場に移動する。

「ようこそ! ○○少女武踏会へ!」

 悪い少女が姉たちを待ち構えていた。武踏会といっても、ただの五人と五人の対戦である。

「カリアちゃん! 勝負を着けてやる! 私が勝ったら友達になってもらうからね!」

 姉の夢は友達を100人作ることだった。

「いいわよ。負けたら友達になってあげても。まあ、そんなことはあり得ないけど。カッカッカ!」

 余裕で返事をする悪い少女。

「真理亜ちゃん、そちらは四人しかいないんだけど? どうしたの?」

「う!? う!? ちょっと待って!? もうすぐ来るから!?」

 名探偵少女がまだ来ていないので困って慌ててしまう姉。

「いいわよ。だって、こっちには秘密兵器がいるんだから。カッカッカ!」

「秘密兵器?」

「見せてあげましょう。これが私の秘密兵器よ!」

 悪い少女は秘密兵器少女を登場させる。

「ああ!? オリアちゃん!?」

 なんと悪い少女の秘密兵器少女は、姉のチームの名探偵少女だった。

「どうして!? オリアちゃんが!? あっちのチームに!?」

「何を言っている? 元々、オリアと私は悪いお友達。オリアが私のチームにいても何の違和感もない。」

「そんなー!?」

 名探偵少女の裏切りにショックと衝撃を受ける姉たち。

「よく見ろ、真理亜ちゃん。」

「え?」

 魔法少女のアリアが姉に声をかける。

「あれは名探偵少女じゃない。あれは呪い少女だ。」

「そう言われてみれば。髪の分け目と出ている目が逆だわ!?」

 姉はオリアの変化に気がついた。

「いったいオリアちゃんに何が!?」

「あいつらオリアちゃんを再び悪の道に引き釣り込んだんだ。」

「なんですって!?」

 姉はオリアが悪い少女に洗脳され、再び悪の道に染められたことを知った。

「酷い!? どうして!? そんな酷いことができるの!?」

 あまりの衝撃で感情がむき出しになる姉。

「一度悪いことをしたら、もう正しい道には戻れない。所詮、悪は悪なのだ! カッカッカ!」

 残酷な悪い少女の笑い声だけが○○少女武踏会の会場に響き渡る。

「・・・・・・。」

 そして何もしゃべらない呪い少女であった。

 つづく。

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