第63話 企画会議

「そうだ。○○少女舞踏会だ。舞踏会といっても踊るのではなく、武踏会だ。5人と5人の戦いだ。我々、悪い少女たち悪少女とおまえたち○○少女と戦って白黒をつけようじゃないか。」

 悪い少女カリアから決戦の申し込みだった。

「どうして? どうして私たちが戦わないといけないの? 同じ○○少女なのに。カリアちゃん。私たち友達になろうよ? そうすれば戦わなく良くなるよ?」

 姉の真理亜は敵でもあるカリアとも戦いたくなかった。

「何を寝ぼけたことを言っている。私とおまえたちとでは立ち位置が違うのだ。友達なんかになれる訳がない。」

 人間関係は複雑である。同じ○○少女同士分かり合えそうなのに、少しの違いでもあれば相手を受け入れることができない。

「一週間の準備期間をあげるわ。その間に私たちと戦う準備をしておきなさい。それでは、またね。」

「バイバイ。」

 手を振って去って行くカリアを姉は笑顔で手を振って見送る。

「結局、仲良しじゃん・・・・・・。」

「相手は敵だよ・・・・・・お姉ちゃん・・・・・・やっぱりズレてるよ。」

 その光景を引き気味に見る仲間と妹の楓。

「さあ! ○○少女舞踏会に向けて特訓よ!」

 気持ちを切り替える姉。

「やはり私たち○○少女は戦わないといけないのか?」

 魔法少女アリアが戦闘意義を疑問に感じている。

「仕方ない。ゲーム化するには格闘しないと。そうしないと単純ゲーかリズムゲーにしかならない。」

 これ大人の事情。

「キャラクターグッツを売るために限定販売する○○少女コンビニや○○少女コンビニ・オンラインショップも必要だ。」

 コンビニオーナー少女はキャラクターグッツ販売も多角的に計算済みである。

「2、5次元○○少女ミュージカルなんていうのもありかもしれない。」

 コンサートや握手会は当たり前。更に進化を遂げるお客様の購買層。

「これ逆バージョンの「○○少年」なんていうのもありよね。」

 戦闘の舞踏会から、どうすればメディアミックスで〇〇少女が売れるのかという企画会議になってきた。

「ストーリーは感動と涙ものよね。ウケるなら友達パワーを前面に押し出して、一般大衆ウケ路線を前面に押し出していこう!」

「制作サイドや運営も大変ね。〇〇少女政策委員会を立ち上げなくっちゃ。」

「おお!」

「絶対に売れるぞ!」

「おお!」

「〇〇少女に栄光あれ!」

「おお!」

 ○○少女たちの気合入れに熱がこもっている。

「お姉ちゃん、何か話がズレてない?」

「ズレてないわよ。ズレたかあったら、タイキックと言いなさい。アハッ!」

「サイキックだよ。お姉ちゃん。少しズレてるよ。アハッ!」

 いつも仲良しの大神姉妹であった。

 つづく。

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