第61話 友達少女

「おまえは何者だ!?」

 新たに現れた少女に向けて姉の真理亜が言い放つ。

「私はカリア。出来損ないの呪い少女のオリアの友達だ。」

 現れた少女の名前はカリア。

「カリア!? 呪い少女が出来損ないですって!?」

 あれだけ強かった呪い少女を出来損ないと言い切るカリアの未知数の実力に一同に緊張が走る。

「そうだ。善悪の両方の心を持ってしまったがための弱さだ。呪い少女は完全な悪い少女になり切れなかった。出来損ないを出来損ないと言って何が悪い。」

 カリアは呪い少女のことを悪い少女として軽視している。

「ふざけるな! 友達に出来損ないって言うな! そんなの友達じゃない!」

 ある意味、友達を大切にする姉はカリアの発言にキレた。

「友達は宝だ! 一緒に遊んで笑って、一緒に困ったら助け合ったり、友達がいるから楽しいんだ!」

 超能力少女、サイキック少女、タイキック少女、そして友達少女に目覚めようとしている姉。

「フン! 友達なんて幻想だ! 弱い! 使えない! 利用価値のない友達なんて無意味! そんな友達なら要らない!」

 悪い少女カリアの友達に対する価値観が歪んでいた。

「なんて!? 自分が好きな少女なの!? 友達のことを友達とも思っていない!? こんな悪い少女に私は勝てるの!?」

 自己中のカリアの威圧的な態度に弱気になる姉。

「それは違うぞ!」

「アリアちゃん!?」

 そこに魔法少女アリアが参戦する。

「友達はライバルだ。仲良しだけが友達ではない。なあ、我がライバル。アハッ!」

「うん。うんうん。ライバルだって友達になれるよ! アハッ!」

 魔法少女の言葉は姉を安心させる。

「私だって!」

「イリアちゃん!? あなた、呪い少女に殺されたはずじゃ!?」

「大丈夫。私は太陽の陽ざし以外には強いから。何度でも蘇って、真理亜ちゃんを助けるね。だって友達だもん。アハッ!」

 ゾンビ少女のイリアの初めての友達が姉である。

「そうだよ。ゾンビだって、私には大切な友達だよ! アハッ!」

 ゾンビ少女も友達と受け止める姉の心に温かいものが生まれてくる。

「私だって、私だって、真理亜ちゃんの友達だ! ・・・・・・何にも助けてあげられてないけど。」

「ウリアちゃん。」

 少し申し訳なさそうにしているコンビニオーナー少女のウリアである。

「大丈夫だよ。ウリアちゃんは戦闘型少女じゃないんだから。ただ、いてくれるだけで心が温かくなり優しい気持ちになれる。それが友達だよ。アハッ!」

「ありがとう。真理亜ちゃん。アハッ!」

 コンビニオーナー少女の存在が、姉の友達パワーを充実させていく。タイキックで使い果たしたサイキック・エナジーが回復していく。

「なんだ!? このオーラは!? どんどん、どんどんオーラが増していく!?」

 姉の自信を取り戻して強くなっていく姿を理解できなくて苦しむ悪い少女のカリアだった。

 つづく。

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