第59話 友の死を乗り越えて

「イリアちゃん!? イリアちゃん!? どうして私なんか、生きる価値もないおバカの身代わりに!?」

 横たわるゾンビ少女のイリアに駆け寄った姉。

「・・・・・・と、友達だから。」

「え?」

「真理亜ちゃんは、私の初めてできた友達だから。だから・・・・・・何が何でも助けたかったんだ。」

「イリアちゃん。」

 姉はイリアの手をしっかりと握りしめる。

「私が・・・・・・絶対に・・・・・・真理亜ちゃん・・・・・・助けるからね・・・・・・バタッ。」

「大丈夫よ!? 私はイリアちゃんのおかげで助かったわ!?」

 自然と涙が零れてくる姉とゾンビ少女。

「良かった・・・・・・バタッ。」

 呪い殺されたゾンビ少女は笑顔で絶命した。

「イリアちゃんー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 友の死を周りの目など気にしないで泣き叫ぶ姉。

「お姉ちゃん。」

 妹の楓も始めてみる姉の姿に、どう言葉をかけていいのか分からない。

「ワッハッハー! どうだ? 私の呪いの威力は? ○○少女一人を殺すことぐらい朝飯前だ! 呪いの前では如何なる○○少女も無意味なのだ! ワッハッハー!」

 呪い殺して自信満々の呪い少女のオリア。

「んん!? なんだ!? このオーラは!?」

 高笑いしていた呪い少女が何かを感じる。

「・・・・・・許さない・・・・・・絶対に許さないんだから。」

 荒々しいオーラを発しているのは姉だった。

「イリアちゃんは私の友達なんだからねー!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 怒りで全身からオーラを放ちまくる姉。

「なんだ!? この禍々しいオーラは!?」

 呪い少女を圧倒するオーラであった。

「これは!? サイキック・オーラ!?」

「タイキック・オーラ?」

「サイキック・オーラよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 場が和むお約束の展開。

「こい! 呪い少女! 私に呪いをかけてみなさい!」

 呪い少女を挑発する姉。

「なんだと!? おまえ!? 頭がバカなのか!?」

「おバカキャラですが? なにか?」

 友を殺されて怒り心頭の姉は、おバカと言われても動じない。

「お姉ちゃん!? 死ぬ気なの!?」

 心配する妹。

「私に一度見せた技は通用しない。既にあなたの呪いの手品のタネは見切った。」

「なんだと!?」

「だって私は世界的に有名な超能力者の娘なんだからね! 私に見破れない事象はない!」

 まるで後光がさしたように、いつもおバカな姉が堂々と仁王立ちしていた。

 つづく。

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