第56話 迷惑推理

「犯人が分かったのか!? 名探偵少女!?」

 警部少女が名探偵少女のオリアの発言に食いつく。

「はい。警部少女。」

 自信満々な名探偵少女。

「いったい犯人は誰なんだい!?」

「犯人は・・・・・・あなただ!」

 名探偵少女は犯人を指さした。

「え? ええ? えええのえー!? 私!?」

 指名されて驚いたのは姉の真理亜だった。

「なんで私なのよ!? 私が何をしたというの!?」

「いいね少女が死ぬ寸前まで一緒にバイトしていたからだ! 怪しい! 怪しすぎるぞ!」

 名探偵少女が姉を指名した理由だった。

「犯行時間に私はバイトをサボって先に帰ったのよ! そんな私がどうやって殺すのよ?」

「毒殺だ! きっと毒を盛って死亡推定時間を遅らせたんだ!」

「おお! さすが名探偵少女だ!」

 警部少女も納得の推理である。

「うんな、アホな!? 私が犯人確定で操作してるじゃない!? そんなのおかしいわ!? 国家権力の横暴よ! なんで私がエリアちゃんを殺さないといけないのよ!?」 

 激しく抵抗する重要参考人の姉。

「そうよ! そうよ! 真理亜ちゃんじゃないわ! 真理亜ちゃんに毒なんて高等な劇物の知識がある訳ないもの!」

 被害者のいいね少女のエリアも姉を弁護する。

「エリアちゃん!」

「だって私たち友達だもんね!」

「アハッ!」

 素晴らしき友達の二人の友情と絆である。

「ちょ、ちょ、ちょっと待て!? なぜ殺されたコンビニアルバイト少女が生きているんだ!?」

 警部少女は殺害されたいいね少女が生きていることに気づいてしまった。

「タイキック・バックよ。私がタイキックでエリアちゃんが死んだ時間まで、エリアちゃんの時間を戻して生き返らせたのよ。」

「サイキック・バックよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハ!」

 いいね少女が復活したのは姉の超能力のおかげであった。妹の楓は子供なので姉に一言ツッコミを言うだけのために待機している。

「助けてくれて、ありがとう。真理亜ちゃん。」

「何を言っているの。私たちは友達でしょ。アハッ!」

 姉といいね少女には友達の友情が芽生えていた。

「死んだ人間を生き返らせるなんて!? 恐ろしいんだ!? タイキック能力!?」

 警察少女たちが姉のサイキック能力に戦慄を覚えた瞬間だった。

「私! 犯人を見ました!」

「おお! そうか! 殺されたいいね少女なら、自分を殺した相手の顔を見ているはずだ!」

 そう、生き返ったいいね少女は誰がコンビニ入店して、自分を殺したのか知っているのだ。

「犯人は、おまえだ!」

 次回へ続く。

 つづく。

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