第45話 いいね少女、現れる!?

「危ない!?」

 青信号の横断歩道を歩いて渡るおばあちゃんに、信号無視したトラックが時速300キロで突撃してくる。トラックの運転手は過酷労働で意識を失っている。

「エリア・キック!」

 第四の○○少女、襟裳岬エリアはキックで爆走トラックを蹴り飛ばす。

「おばあちゃん、大丈夫? 一緒に横断歩道を渡りましょうね。」

「ありがとうございます。」

 おばあちゃんは無事に横断歩道を渡れた。手を振って二人は別れる。

「いいことをするって気持ちいな~。」

 エリアは爽やかな○○少女だった。

「そうだ。良いことをして、「いいね」がどれだけ付いたか見てみよう。」

 どこからかスマートフォンを出して「いいね」を確認する。

「あれれれれー!? 「ダメね」が3500も入ってる!? どうして!? 確かにおばあちゃんをトラックから助けたのに!? おかしいな!? 故障かな!? あれ!? あれー!?」

 なぜ「ダメね」が多くついているのか理解できないエリア。

「ギャアアアアアアー!? 火事だ!? トラックが投げ込まれたぞ!?」

「助けて!? まだ中に子供が!?」

「救急車!? 消防車も呼べ!?」

 「いいね」が付かなかった理由。それはエリアが蹴り飛ばしたトラックが民家に飛び込み大火事を起こしたからである。犠牲者は多数。死者は出なかったことにしておこう。

「今度こそ「いいね」をたくさんもらうぞ!」

 当の本人は火事が起こったことには気づいていない。

「だって、今の時代は「いいね」の数が人の価値を決めるんだから。アハッ!」

 そう、まさにこの世はいいね時代。「いいね」が多いか少ないかで人間の幸せが決まる。

「私は「いいね」のためなら、なんだってするわ!」

 襟裳岬エリア。彼女は「いいね」少女だったのです。

「あれが第四の○○少女!?」

 その様子を見ていた姉の真理亜たち。

「やばいよ!? あいつ絶対にヤバイって!? 完全に目がいってる!? 「いいね」のためなら人殺しとかしちゃうタイプでしょ!?」

 エリアの行動を見て興ざめる魔法少女のアリア。

「どうして彼女が主役じゃないんですか?」

 それは途中から登場したからです。

「まさか私たち、あの危ない人と戦ったり、友達になりませんよね?」

 なります。おそらく。

「そんな!? 早くお墓に帰りたい!?」

 今までにないパターンの日常の少女たちを超える存在のエリアに怯えるゾンビ少女のイリア。

「お願いだから私のコンビニに近づかさないでよ!? あんなデス・マシーン少女!?」

 まだ店の開店時の借金があるコンビニオーナー少女は震えていた。

「ヤレヤレだぜ。お手上げです。ペコリ。」

 きれいにまとめた妹の楓。

 つづく。

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