第46話 衝撃のいいね
「危ない!?」
道を歩いているお姉さんの頭の上に、マンションのベランダから落ちた植木鉢が直撃コースを通って落下している。
「ここからでは、間に合わない!?」
襟裳岬エリアは現場から遠くにいた。しかし「いいね」のためなら危険を察知する「いいね感知」能力のスキルを習得していた。
「あれは!? 私のタイキック感知能力と同じね!?」
姉の真理亜は第四の○○少女、いいね少女のエリアをサイキックで透視して様子を監視していた。
「お姉さんを助けるためには、狙撃するしかない!」
どこからかエリアは狙撃用のスナイパーライフルを取り出し構える。
「あれは!? 私のタイキック物体転移能力も使えるというの!?」
超能力、魔法、「いいね」は同レベルのハイクラス・ジョブである。ゾンビは夜間では最強の不老不死。コンビニオーナー少女・・・・・・並み。
「いいね! もらった!」
エリアはスナイパーライフルの引き金を引いた。銃弾が植木鉢をパキンっと撃ち抜く。植木鉢は粉々に砕け散った。
「なぜ!? いいね少女に狙撃手スキルがあるの!?」
ちなみに姉にはサイコキネシスがあるので、サイキックで石ころを飛ばし植木鉢を狙撃することは可能である。
「さあ! 人助けもしたし「いいね」がどれだけ溜まったかチェックしようっと。」
スマホを出して「いいね」を確認するエリア。
「ギャアアアアアアー!? 「ダメね」が500!? どうして!? 私は人助けをしたのに!? おかしい!? 絶対におかしい!? いいねカンパニーの本社を爆撃してやる!?」
いいね少女のスキルは、「いいね」を獲得するためになら、どんなスキルも使用できるチートな存在だった。
「この子・・・・・・私、以上におバカキャラだわ!?」
自分を超える存在に初めてであった姉。
「ギャアアアアアアー!?」
説明しよう。なぜエリアは良いことをしたのに「いいね」ではなく「ダメね」が付いたのか。パキンっと狙撃された粉々の植木鉢。その植木鉢の破片が道を歩く通行人のお姉さんに雨の様に降り注ぐ。植木鉢の直撃で死亡は免れたが、重症を負ったお姉さんは救急車で病院に運ばれる。
「なんて、詰めの甘いおバカちゃんなの!?」
言う権利は無いと思われる姉でも、いいね少女のおバカっぷりに恐怖する。
「よし! どんどん良いことをして「いいね」を集めなくっちゃ! アハッ!」
善意無過失のいいね少女は元気いっぱいに今日も困っている人を助けようとする。まさに恐怖の大魔王だった。
つづく。
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