第43話 タイキックは唯一無二

「超能力少女のお姉ちゃんは魔法少女にジョブチェンジできるってことよ。」

「おお! なんて、すごいシステムなんだ!」

 妹の楓の発案でジョブ・チェンジが実装された。

「私も魔法少女になって、ほうきに乗って空が飛べるのね! アハッ!」

 姉の真理亜の夢は広がる。

「ふっふっふ。笑っていていいのかしら?」

 不敵に笑う魔法少女のアリア。

「どういうこと?」

「真理亜ちゃんが魔法少女になれるということは、魔法少女の私がサイキック少女になることも可能ってことよね?」

 魔法少女の狙いは超能力少女になることだった。

「ええー!? アリアちゃん! あなたタイキック少女になりたかったの!?」

「サイキック少女よ! 真理亜ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

「私も一度言って見たかったのよね。社長のカツラ、少しズレてるよ! って。アハッ!」

「アハッ! アハッ! アハッ!」

「アハッ! アハッ! アハッ!」

 ライバルではあるが、仲良しの姉と魔法少女。

「私も超能力少女になってやる! ジョブ・チェンジ!」

 魔法少女は超能力少女にジョブ・チェンジを試みる。

「あれ? 変わらない。あ、ステータスが開いた。何々? タイキック少女は唯一無二の存在で、ジョブ・チェンジ可能者は、初期ジョブ者か、正当なタイキック選手に限る・・・・・・なんじゃこりゃ!?」

 タイキック少女は上級ジョブなので簡単には転職できなかった。

「私って罪な女ね。ああ~! カワイイって罪なのね! アハッ!」

 姉の超能力少女という立場は守られた。

「ということは、ジョブ・チェンジ事態が頓挫したってことね。」

「ごめんなさい。」

 素直に謝る妹。

「やはり一人一職業からの進化は有りということね。課金してもらうためには、大人数を登場させて、課金ガチャを回させなくっちゃ。でもバージョン違いで、お正月に、バレンタイン、ひな祭り、クリスマスなど何でも同キャラの衣装違いは出せるから、ガチャのネタには困らないわ。アハッ!」

「お姉ちゃん、お金の話はスラスラできるのね。」

「そうかしら? 私は普段通りよ。アハッ!」

 困った時は笑って誤魔化す姉であった。

 つづく。

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