第41話 面白ければ何でもいい
「連れてきたよ。夜勤大好きのゾンビ少女のイリアちゃん。」
姉の真理亜は夕ご飯を終えて、ゾンビ少女のイリアをコンビニの○○少女ストアに連れてきた。
「ありがとう! 真理亜ちゃん! 私たちは友達ね! アハッ!」
喜ぶコンビニオーナー少女のウリア。
「ということで、お伝もらって帰るわね。アハッ!」
勝手におでんを取って帰ろうとする姉。
「ありがとう・・・・・・なんでやねん!」
「ギャア!?」
姉はコンビニオーナー少女に取り押さえられる。
「警察に突き出すわよ! 第四の○○少女は警察少女で決まりね!」
「やめて! ウリアちゃん! 私たち友達でしょ!?」
命乞いする姉。
「あの・・・・・・二人ともケンカはやめて下さい。」
ケンカを止めに入るゾンビ少女。
「いくら私が美しいからって、そんなに争わないでください。所詮、私はゾンビですから。アハッ!」
ゾンビでもカワイイなら許される。
「死んでいるのになんて前向きなの!? 恐るべし! イリアちゃん!」
「争うのがバカバカしくなってきた。」
想像以上の強敵の登場に一時休戦する姉とコンビニオーナー少女。
「でも、ゾンビなんかをコンビニのレジに立たせていいのかしら?」
ふとした疑問が思い浮かぶコンビニオーナー少女。
「じゃあ、ウリアちゃんが代わりにゾンビになる?」
「え?」
「コンビニ少女から、両親が過労死でコンビニオーナー少女に進化。次はウリアちゃんが24時間営業の過労死でゾンビ少女に進化しちゃうわよ。アハッ!」
不謹慎を極めている姉。
「嬉しそうに言うな! まったく人の命をなんだと思っているんだ。」
「ごめん、ごめん。」
面白ければ何でもいい、姉の座右の銘ができた。
「楓ちゃんがいないから、ツッコム人がいないのね。では代わりに私が。真理亜ちゃん! 少しズレてるよ! アハッ! 一度行ってみたかったのよね。」
すごく満足しているゾンビ少女。
「ゾンビっていいわね。マイペースで。」
「そうね。寝なくていいんだもんね・・・・・・って、あんたが言うな!」
「アハッ!」
妙な所で感情の共有が生まれる姉とコンビニオーナー少女。
「ギャア!? 朝陽!? さようなら~。」
気がつけば朝になり、太陽の光を浴びたゾンビ少女が溶けてしまう。
「・・・・・・。」
何にも言えない光景を見てしまい絶句する二人。
「じゃあ、帰るわ。」
「さあ! 仕事! 仕事!」
何事も無かったように今日の一日が始まる。
つづく。
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