第37話 コンビニの店の名前は?

「楓、近くにコンビニができたんだって。」

「行きたい! 行ってみようよ! お姉ちゃん!」

「おお!」

 大神家の近所にコンビニが新しく開店した。もちろん大神家に隣接していて、秋葉原家と青山家のある墓地には隣接していない。

「ええー!? 私の家って、お墓の中にあるの!?」

 どこかからかイリアが現れてツッコム。

「あれ? 今、イリアちゃんの声が聞こえたような?」

「気の性だよ、お姉ちゃん。」

「そうね。気の性よね。アハッ!」

「でも、もうすぐ夜だからイリアちゃんが現れるかも?」

「イリアちゃんゾンビ少女だから夜行性だもんね。」

 姉妹は仲良くコンビニを目指す。

「コンビニが見えてきたよ!」

「って、うちの真横じゃん!? 夜中にヤンキーが溜まってうるさくないんでしょうね!?」

 近くにあれば便利でもあるが、迷惑でもあるコンビニ。

「お姉ちゃん、このコンビニの名前はなんていうの?」

「セブンイレブ? ファミリーマー? ローソ? う~ん。大手をいじった名前だと面白みにかけるわ。上杉コンビニ? ウリアコンビニ? うりゃあ! コンビニ? どれもいまいちだわ。」

「じゃあ、こういうのはどう? ○○少女コンビニ。可愛いでしょ?」

「そうね。○○少女だけだとキャバクラか風俗っぽいけど、語尾にコンビニと入れるだけでコンビニと認識できるわ。」

 ということで、コンビニの店の名前は、○○少女コンビニに決まった。

「じゃあ、コンビニに入ろうか?」

「ちょっと待って! お姉ちゃん!」

 急に妹が真剣な表情を見せる。

「どうしたの?」

「中に危険がないか、サイキックの透視スキルで調べてみようよ。」

「タイキックの透視スキル?」

「サイキックよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 お約束の展開である。

「そういえば、最近は○○少女を量産することばかり考えて、自分がタイキック少女だということを忘れていたわ。」

「サイキック少女よ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 またお約束の展開。

「OK。中は安全みたい。店員さんが一人いるだけだわ。」

「じゃあ、中に入ろう。」

 コンビニに入る姉妹。

「頼もう! 道場破りだ!」

「コンビニだよ!? お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」

「アハッ!」

 こんな使い方もできます。

「あなたたちは何者!? さては!? コンビニ強盗ね!?」

 店の店員さんに強盗と間違われる姉であった。これが姉とウリアとの運命の出会いであった。

 つづく。

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