第35話 うりゃりゃりゃりゃー!
「ピーン! 今、背筋に寒気を感じた!? 風でも引いたのかな? そういえば頭も痛いような。今日は学校は休みね。アハッ!」
姉の真理亜は寒気と頭痛に襲われていた。
「おかしいわね。おバカは風を引かないっていうのに。」
不思議がる母のひばりは娘を心配する気はない。
「ていうか、そもそもお姉ちゃんはサイキックの修行で学校はずっと休んでいるじゃない。」
妹の楓がツッコム。
「タイキックの修行?」
「サイキックよ! お姉ちゃん! 少しズレてるよ!」
「アハッ!」
久しぶりのお約束の展開。
「そうか。私が学校に通うためには、校長のバーコード禿少女から、先生少女、生徒少女、二宮金次郎の像少女などを作成しないといけないんだわ。ふむふむ。」
大切なことに気がついた姉。全て○○少女にしてしまえば、キャラクター化は成立する。
「そして、第三の○○少女の名前は○○ウリア。」
アリア、イリアの流れで三番目の少女だからである。
「これダメね。毎回、苗字を考えるのが面倒臭いわ。何か法則を考えなくっちゃ。う~ん、なかなか良いアイデアが多い浮かばないな。」
発想では頓挫してしまう。ちゃんと法則を作らなければと考え込む姉。
「こういう時、発想でつけた大隣と青山が邪魔で迷惑なのよね。」
「ならサイキックで名前を変えちゃえば? 魔法って何でもありでしょ? なら、魔法も何でもありでいいんじゃない。」
困っている姉にアドバイスを送る優秀な妹。
「そうか! その手があったか! さすが私の妹だ! カワイイねー!」
優秀な妹に感謝する姉。
「あの・・・・・・チャラいんですけど。私は好きでおバカなお姉ちゃんの妹になった訳ではありません。」
妹に姉を選択する権利はなかった。
「まあまあ、そんなに照れなくていいから。アハッ!」
何も気にしないマイペースな姉。
「照れてない!」
妹の叫び声は空高く消えていった。
「ということで、アリアちゃんとイリアちゃんは置いといて、ウリアちゃんの苗字を考えよう! おお!」
何も無かったように前に進む姉。
「ちょっと!? 今までの流れは何だったのよ!?」
ツッコム妹。
「だって二人分の苗字を考えるのが面倒臭いんだもの。ブー! ブー!」
ブーイングする姉。
「発表します! ウリアちゃん苗字は・・・・・・上杉ウリアです!」
意外に姉にネーミングセンスがあった。
「戦国武将みたいでカッコイイ!」
思わず否定的な妹も納得。
「あ、別に植過ぎウリアでもいいよ。だって私の名前じゃないもん。アハッ!」
あくまでも姉は姉であった。
つづく。
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