第34話 キャラが増えれば、街ができる?
「なんだす? その設定は?」
おバカキャラな姉には理解が出来なかった。
「我が家が大神家だろ。隣に魔法少女の大隣アリアちゃんが引っ越してきて家ができた。次に墓地が出来て青山イリアちゃんが引っ越してきた。我が町は、まだ土地の上に3つの建造物しかない。」
父の慎太郎が姉に分かりやすいように丁寧に説明する。
「そんなの渋谷を我が町に当てはめればいいじゃない?」
「一気に飛躍させるとストーリーが頓挫するでしょ。真理亜、あなた、そんなことも分からないの?」
母のひばりが姉を窘める。
「ええ、分かりません。私はお母さんの子供ですから。フン。」
負けん気が強い姉。
「次の三件目は何が来るだろう?」
妹の楓は、我が町の発展を楽しみにしていた。
「要するに、お墓が出来れば、ゾンビ少女。ということは、学校が出来れば、勉強少女、生徒少女に、先生少女。あ、校長少女とかもありね。」
発想が規格外の姉。
「警察が出来れば、ポリス少女。スーパーが出来れば、スーパー少女。これ、いただき。」
スーパー少女はある意味かなり使えると目星を付ける姉。
「そして今の一押しが、指先少女!」
「指先少女?」
「あの! 北斗七星拳や、南斗六星拳を超える暗殺拳。パンチやキックではなく、指先一本で勝つ最強の暗殺拳よ! あたたたったたたたたたたたったたたたたたたったたたたたたたたったたたたたたたたたったたたたたたたったたたたたたったたたたー! 指先一つでダウンさ。おまえはもう死んでいる。」
気合の入った連呼をする姉。
「お姉ちゃん、決めゼリフが言いたかっただけでしょう?」
「はあ・・・・・・はあ・・・・・・バレたか。」
そこから一人の○○少女を生み出す素晴らしい姉である。
「でも指先少女は何を開発して土地に建設すれば登場できるの?」
素朴な質問をする姉。
「しまった!? 考えてなかった!? ・・・・・・からの横断歩道でどうかしら? 車が来てないか指先確認するの。アハッ!」
困った時は笑って誤魔化す姉。
「なんじゃ、そりゃ!?」
とりあえずツッコム妹。
「私、○○少女全員に愛称をつけるのやめるよ。だって人数が多くなりそうなんだもん。名前を創作するの想像以上に時間がかかるから。」
こうして妹の愛称付け制度は廃止された。
「名誉○○少女に昇格したら、愛称で呼んであげるんだ。アハッ!」
新しく妹の愛称資格試験が導入されることになった。これは妹による権力の集中である。
つづく。
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