第33話 必殺技を考える
「一子相伝の暗殺拳! 流星の輝き! 全てを終わらせる一撃! それが私のタイキックだ!」
姉の真理亜は必殺技、サイキック・スキルをタイキックに設定した。これで何も怖くない。
「お父さん、お母さん、楓、アリアちゃんの必殺技は何?」
戦闘ゲームに移行するために姉は全員に必殺技を質問する。
「別にお父さんたちが戦う訳じゃないから、私たちに必殺サイキック・スキルは要らないんじゃないかな?」
戦闘には参加しないという父の慎太郎。
「そうよ。お父さんにアイドル・リズムゲームはできないわよ。それにお母さんたちは○○少女のもっと上の存在。上位超能力者よ。対等には戦えない存在なのよ。オッホッホー!」
母のひばりは両親イコール上位超能力者として、カワイイ○○少女バトルには参戦しない。
「はいはい。幼女はロリコンにウケるから私は参戦すればいいんでしょ。はあ。」
深いため息をつく妹の楓。
「アリアちゃんの必殺技は何!?」
「わ、私の必殺技!? どうしよう!? どうしよう!?」
姉は迫真の演技でお隣さんに迫る。
「そうか! お姉ちゃんはサイキックという言葉を使う人間にはタイキックとボケれるけど、サイキックという言葉を使わない人間にはツッコミができないんだ。」
良いことに気が付いちゃった妹。
「わ、わ、私の必殺技は・・・・・・アリア・パンーチだ!」
これはお隣さんは姉がキックなら、私はパンチと短絡的に考えた。
「ふん、顔を食べさせるパンチを繰り出す、どこかのヒーローと同じね。」
嫌味を言う姉。
「それなら、あなたのタイキックも顔を食べさせるヒーローの適役の病原体の必殺技と同じよ。」
言い返すお隣さん。
「ヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌー!?」
姉とお隣さんは大の仲良しである。だってケンカするほど仲が良いというから。
「どんぐりの背比べと同じね。やれやれだわ。」
呆れる妹。
「超能力少女と魔法少女だもの。言ってしまえば、言い方を変えただけよね。」
娘の成長を喜ぶ母。
「二人はライバルだ! これから面白くなるぞ! ワッハッハー!」
他人事の様におもしろがる父。
「いいわ! 勝負をつけてあげる! 必殺! タイキック!」
「負けないわよ! 必殺! アリア・パーンチ!」
姉とお隣さんの必殺技が火花を散らしてぶつかり大爆発を起こす。
「ケンカは外でしなさいー!!!」
家が吹き飛んで母の怒りが爆発した。
「ごめんなさいー!?」
姉とお隣さんは笑顔で駆けて逃げていった。
「アリアちゃん! 今日の勝負は引き分けよ!」
「いいわよ! そういうことにしておきましょう! 次こそが本当の勝負よ!」
やっぱり二人は仲良しであった。
つづく。
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