第30話 ご飯の予定

「ウエ~ン! ボッチちゃんー!」

 話を聞いた妹の楓は、ゾンビ少女の悲しいサガを聞いて大声で涙を流した。

「そりゃ、そうなるわな。」

「子供には厳しい現実よね。」

 姉の真理亜とお隣さんの大隣アリアが感傷に浸る。

「お、おまえたち何があったんだ?」

「アリアちゃん、いっぱい食べてね。ご飯おかわりしてね。」

「ありがとうございます。」

 空のお茶碗を差し出すお隣さん。そう、大神家は朝食の真っ最中であった。

「そうだ! ボッチちゃんは夕食に誘えばいいんだ! アハッ!」

「そうね。イリアは夜行性だから夕方に起きて身だしなみや化粧を整えて、夜にはオシャレして私の家に遊びに来るはず。夕ご飯なら一緒に食べられるはずだわ。」

 姉妹はお墓さんのことを心配していた。

「あの・・・・・・私も夕飯を食べに来てもいいかな?」

「いいわよ。アリアちゃんのご両親が世界的有名なマジシャンでお父さんのお友達だから、戻って来られるまで毎日、ご飯を一緒に食べましょう。」

「ありがとうございます。」

「困った時はお互い様よ。アハッ!」

 こうして朝食にはお隣さんが、夕飯にはお隣さんとお墓さんが一緒に食べることになった。

「でも、この流れは不味いわ!」

 いつも不定期な姉が突拍子もなく切り出した。

「ええー!? 不味い!? ご飯を炊くの失敗したかしら!?」

 突然のキラーパスに疑心暗鬼に陥る母のひばり。

「ご飯じゃなくて、こっちの話よ!」

「なんだ!? そうなの!? ビックリさせないでよ!? アハッ!」

 姉妹の笑い癖は母のDNAを引き継いだものである。

「不味い問題は! このままでは我が家は○○少女のたまり場になってしまう!?」

 問題を提起する姉。

「別にいいんじゃない? 最近は遊ぶ場所もないっていうからね。」

 気楽な母親。

「違うー!? このままでは我が家の食費がいくらあっても足らなくなる! お金が無くなったら、お母さんの化粧品も買えなくなるし、エステにも行けなくなるわよ! それでもいいの!?」

「それは困る!」

 現実を理解した母親は不味い問題を理解した。

「モグモグ。超能力でお金を出せばいいだけなのに。」

「モグモグ。最近分かったわ。お姉ちゃんがおバカキャラなのはお母さんの影響ね。」

 冷静にご飯を食べ続ける父の慎太郎と妹であった。

 つづく。

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