第18話 アイデアの神が降臨される

「私の物語のストーリーの題材を考えていたら、アイデアの神が舞い降りたわ!」

 姉の真理亜は、世界的有名なマジシャンの父の慎太郎の娘として、何か結びつく面白いストーリーはないかと考え込んでいたら、アイデアの神が天から暗闇を切り裂く光が舞い降りた。

「タイキック少女と魔法少女が対決すればいいのよ!」

「サイキック少女よ!? お姉ちゃん!? 少しズレてるよ!?」

「アハッ!」

 この展開はお約束。

「お姉ちゃんは、魔法少女と戦うの?」

「そうよ。魔法と化学みたいな見事な対決軸だわ。私のライバルは、魔法少女で決まりよ。」

 超能力少女と魔法少女。面白そうな企画である。

「そして競い合い、戦い、傷つきあった少女たちに友情と絆が芽生えるの。そして最後には、悪い敵と戦って勝つのよ! ああ~! アイデアの神様! ありがとう!」

 典型的な神ストーリーに身震いして幸せを噛み締める姉。

「お姉ちゃん、素晴らしい妄想ね。」

 先の先をいく姉の妄想に追いつけない妹だった。

「ということは、タイトルも変えるのかしら?」

 現在のタイトルは「サイキック・タイキック・超能力家族」である。

「新しいタイトルを発表します! 新タイトルは・・・・・・「魔法少女VSタイキック少女」よ!」

 高々と新しいタイトルを発表する姉。

「サイキック少女よ!? お姉ちゃん!? 少しズレてるよ!?」

「アハッ!」

 笑って誤魔化すのはお約束。

「ええー!? ラノベ的に言うと「魔法少女に負けたくないので、超能力少女をがんばります!」とかの方が合っていると思うわ。」

 あっさりと姉の意見は妹に否定される。

「グサッ!? やられた!?」

 姉は討ち死にしたフリをして倒れていく。妹の方がネーミングセンスがあるみたいだ。

「でも、魔法少女って、どこにいるのかしら?」

 肝心の魔法少女がどこにいるのか姉は知らない。

「ええー!? お姉ちゃんが知っているから言ったんじゃないの!?」

 とりとめのない姉の発言に、ただただ驚く妹。

「アハハハッ!」

 困った時は笑って誤魔化す姉であった。

 つづく。

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