第9話 PSI修行、溜める

「修行?」

「そうだ。真理亜は超能力を使えるように修行しなければいけない。」

 大神家では家族会議が行われていた。議題は超能力に目覚めたばかりの姉の真理亜の超能力の修行が始まる。

「サイキックの修行だ。」

「タイキックの修行!?」

「サイキックよ! お姉ちゃん少しズレてるよ!?」

 この流れはお約束。

「修行・・・・・・面倒臭そうだな。」

 疲れたくない姉は修行を嫌がる。

「学校を休んでいいわよ。」

「え!? いいの!?」

「だって超能力者には、勉強よりサイキックの方が大切だもの。」

「やります! やります! タイキックの修行!」

 姉はタイキックの選手の衣装に着替える。

「サイキックの修行だって! お姉ちゃん少しズレてるよ!?」

 この流れはお約束。

「毎回ツッコム私の身にもなってよ! せめて一話に一回にして!」

「ごめんね。楓ちゃん。」

 姉のために家族総がかりで本格的な魔法の修行を始める。

「まずは私がサイキックの練り方を教えてやろう。」

 まず父の慎太郎がサイキックの練り方を教える。

「はい! タイキックの練り方を教えてください!」

「お姉ちゃん少しズレてるよ!? はあ・・・・・・はあ・・・・・・。」

 さすがに短期間で三回目のツッコミに優しい妹もバテてきた。

「意識を集中して、サイキッ・・・・・・超能力を高めるんだ。」

「チッ。」

 父は姉がサイキックに身構えているのを感じ取り、サイキックを超能力と言い直した。バレて悔しがるお茶目な姉。

「真理亜、やってみろ。」

「ええー!? そんなこと急に言われてもできないよ。」

 やる前から弱音を吐く姉。

「大丈夫だよ! お姉ちゃんなら、やればできるよ!」

 腐ってしまいそうな姉を励ます優しい妹。

「ありがとう! 楓! 私! やってみる!」

「その調子だよ! お姉ちゃん!」

 素晴らしき姉妹愛である。

「でも、どうやったらサイキックを」

「竜玉の気を練るをイメージしてやってみたら。」

「その手があったか! ありがとう! 楓! やってみるよ!」

「がんばって! お姉ちゃん!」

 妹の助言を得て、姉はサイキックを練りだす。

「はあー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」 見る見るサイキックを練りだした姉のサイキックが高まっていく。目に見えないオーラが姉の体から放出される。姉のサイキック・エナジーは大気や大地が震えるほどだった。

「すごい!? これが真理亜のサイキックなのか!?」

「お姉ちゃん! スゴイ!」

「さすが私の娘です。うんうん。」

 家族たちも驚くほどの姉のサイキック量であった。

「16歳まで私は自分が超能力者だって知らなかったからね。その間にタイキック・エネルギーが溜まったんだよ。アハッ!」

 姉のサイキック・エネルギーは無尽蔵であった。

「くらえ! この元気!」

 姉は調子に乗って高めたサイキック・エナジーを投げつけた。

「ドカーン!」

 見事に自宅を破壊した。

「こらー! 真理亜!」

 激怒する父。

「やり過ぎちゃった。アハッ!」

 困った時も笑って誤魔化す姉であった。

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る