第3話 転身
…ちゅんちゅん…ちゅんちゅん
鉄乃心「むにゃむにゃ…むにゃむにゃ…ん?なんだ夢か…」
鉄乃心は目覚めた。何事もなかったように。
鉄乃心「なんかあった気がするけどなんだったかな。入社式がどうとか…うっ…頭が…」
鉄乃心は北国青森に住むゴリゴリ童貞。バキバキ童貞。少ないながらも繰り返した卒業のチャンスを、持ち前のビビりでみすみす逃し今年で24歳となってしまった。かつて大谷翔平を打ち取った面影はなく、青森という三流地域でくすぶっていた。
鉄乃心「くそう。こんなはずじゃあ…。おれだっておれだって…。まあとりあえずしこり寝よ。英会話の勉強は後回しと…」
鉄乃心はいままさに伸び悩んでいた。人生自体に。生活の基盤もぐらぐらしており、夢も希望もない状態。そんな人生に嫌気がさしてきた。ただ職場と家を往復する生活。職場には若い女もいるわけではなく、ただただ時間のみを浪費していた。
鉄乃心「まあ生きていればいいことあるっしょ!!余裕余裕。」
そんな時だった。まばゆい光が辺りを包む。鉄乃心はとっさに目をつぶる。もしくは開ける。もしくは半目を開ける。光はすぐに消えた。いつもの部屋に戻った。
鉄乃心「なんだったんだろう。いまの。まあいいや。今日は日曜日だししこり寝よ…」
???「ふぉっふぉっふぉ。鉄乃心よ。おきるんじゃ。」
鉄乃心「なんだおまえは!!まさか!!」
???「ふぉっふぉっふぉ。本当はまだやりたいんじゃろう?野球を。君の中の野球スピリッツがまだくすぶっておるぞ。かつて大谷翔平をうちとったその左腕は、しこり寝のためにあるんじゃなかろう。てつしんよ。」
鉄乃心「なんだって!!おれが野球を?野球をなんだって?もう一度言ってくれ!」
???「だからあれじゃよ。野球をやりたいんじゃろう?そのくらい一回で聞いてくれ。英会話の試験じゃあるまいし。ふぉっふぉっふぉ」
鉄乃心「野球か…でもNo.1左腕であることは間違いないけど…こんな田舎の童貞がまた野球なんて…」
???「君ならできる。だからわしが来たんじゃよ。導かれての。どうじゃわしと同化してみんかね。」
鉄乃心「同化だって?どういうことだ。」
???「君の中に入るんじゃ。大丈夫。君は変わらない。ただ野球スピリッツが高まり、わしの人格が入るだけじゃ。本体は君じゃからまず問題ない。ドラゴンボールで言ったらピッコロがネイルと同化するみたいなもんじゃ。ナメック星人のそれじゃな。」
鉄乃心「そうなると野球が……野球がうまくなるってことか?まだおれにもプロへのチャンスがあるってことか?」
???「ふぉっふぉっふぉ。そういうことじゃな。わしみたいな野球の化身と化したものを吸収できる能力が君にはあるのじゃ。普段海でおっぱいを触る妄想ばかりしているやつに多いと聞くの。心当たりはあるかな?」
鉄乃心「くっ…あれは本当のことだぜ…じゃあ吸収すればいいのか貴様を…そうすればおれも野球が上手くなるっていうのか!!」
???「そういうことじゃな。ただ常に君の人格の中にわしがいることになる。それでもいいならわしの右乳首をさわってくれ。それがトリガーとなり同化できるじゃろう。さあ早く。」
鉄乃心「なるほどな。じゃあ同化するぜ。最後に聞いておこう。貴様のスピリッツ。名前はなんだ。」
???「わしか……わしはそうじゃな……」
ローズ「白いローズ!!!元横浜の白いローズじゃよ!!!さあ合体じゃ!!」
鉄乃心は白いローズの茶色い右乳首に触れた。すごいエネルギーが体に流れ込んでくる。
鉄乃心「これが…これが白いローズのちから……いける…いけるぞ!!」
こうして鉄乃心の野球スピリッツは飛躍的に向上した。青森でくすぶっていた男がプロ野球に名乗りをあげることはできるのか??こうご期待。
ナレーター;ああさてさて。鉄乃心はまずは第一歩を歩み始めたようですよ。あーは。どうなっちゃうのかな!社内ニート鉄乃心。プロ野球編開幕!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます