第2話 入社式

鉄乃心は入社式の会場、「ブルーフォレストオワコン株式会社」の本社にやって来た。


鉄乃心「いやー、ここで今日からわいのセカンドライフが始まるんだなぁ。感慨深いなぁ。」


と言いながら、バレないようにポケットの中から右の玉袋を掻きむしろうとしている矢先。ある男が声をかけて来た。


???「え?君君。なんて格好してんの。」


いかにもな陰キャ面をした1人の中肉小背の男が声をかけて来た。のちに伝説となる男、鳥居である。


鳥居(以下バード丸たけし)「おれだよおれ!バード丸たけしだよ!初対面だろ!?よろしくな!それにしてもなんて格好してんの!?」


安安しく声をかけて来たのは無理もない。鉄乃心は大事な入社式にスーツを着てこなかった。なにを着て来たかだって?へんなしゃかしゃかの野球用の上着と、紺のジャージを履きナイキのスニーカーで出社したのだ。ゼツタイニオカシイダロ!?(厚切りジェイヌジェイヌジェイヌ風)


鉄乃心「それはまああれよ。そこが味噌よ…。好きな調味料も味噌よ…。」


バード丸たけし「まあおれは知らないけどな。自分が良ければそれでいいし。みんながそう思ってるよ。だってそうだろ?自分が何も思わないんだったら他の誰かが苦しい思いしたって感じないわけだからね。そうだろ?実際にアフリカでは飢餓で苦しんでいる人がいっぱいいるわけだからね。でもだからといってなにもしないだろ?現実感がないわけだからさ。だからみんな自己責任てわけだ。君がスーツを着ようが、そのクソダサイしゃかしゃかで来ようがなにも関係がないわけ。おれには地球の反対側で起こってることとなんら変わりはないから。それを批判する奴もいるけど、そいつだって本心でそう思ってるかわからないだろ?だからおれは綺麗事は言わない。偽善者にならない。そう決めたんだ。わかったか?」


鉄乃心「アフリカアフリカうるせぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇ!!!!」


南アメリカ人「ウルサクナイ!」


鉄乃心「いやいや、うるせぇぇぇぇ!!!!!!」


カナダ人「ジェンジェン、ウルサクナイ!」


鉄乃心「うるせぇんだよぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉ!!!!!」


純正のアフリカ人「確カニソウイウ側面ハアルカモネ。ソレハ否定シナイヨ。本音デ話シテクレテアジガトウ」


鉄乃心「分かればいいよ。アフリカ人以外みんな許すわ」


アフリカ人「コレバッカリハドウニモナランワ笑」


鉄乃心とアフリカ人の言い合いはこれで幕を閉じた。彼らは衝突するかもしれない、殴り合いの喧嘩になるかもしれない。ただこれだけは言えよう。それが「青春」であると。もしくは「青春以外」であると。強い風が吹く。鉄乃心の冒険はこれからだ。


ナレーター:あ、さてさて。鉄乃心はしゃかしゃかとジャージで入社式に向かったよ。どうなることやら…これは目が離せない…もしくは見たくもない…いずれかであろうな?ふぉっふぉっふぉっ…

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る