転機。

夏休みはほぼ部活づくしだったな。

1ヶ月しかない休みの大半を部活で消化したんだった。

それでも、たった1日、1日だけは君と遊んだんだ。



一学期が終わるまで、席替えは無かった。そのおかげで俺にとっては最高の一学期となった。ただ明日からは夏休み。言うまでもなく、松本さんに会える日は減ってしまう。

「では以上で終礼を終わります。みなさんケガだけはしないように夏休み楽しんでください。」

宮井先生がいい終わった瞬間、教室はざわめきを取り戻した。

「明日どこ行く?」「10日は海な!」

そんなことを耳にしながら、俺はヨッシーと共に、荷物をまとめて、部活に向かうため、教室を出ようとすると、

「井上くん!」

と、マツモトさんが話しかけてきた。

「なに?」

驚きつつも、応えると、

「今度お祭りがあるでしょ?一緒に行かない?」

と、マツモトさんは言った。

え、こんなことあるのか、夢じゃないかと思えるほど、舞い上がりつつも、

「俺でいいなら行くよ。」

と、俺は言った。

「良かったーヨシオカくんもどう?」

と、松本さんは言った。

...ヨッシーもか、二人でとは言ってないし...

「まじ?じゃあ俺も行こうかな。」

と、ヨッシーはサラリと答えた。




こうしてあの時、俺たちは夏休み、祭りに行く約束をした。

してしまったんだ。

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