第5話伝言
みんな寝静まった夜中に何かが触る気配に目を開け触っていた者の手を掴むと…そこには昼間助けた娘がベッドに潜り込もうとしていた…
「何をしている…」
リオンが睨むと
「何かお礼がしたくて…どうか…私を貰ってくれませんか?」
そう言うと娘は着ていた服をゆっくりと脱ぎ出した…
リオンはため息をつくと女に布をほおり投げる。
「そんな必要は無い、お前はお前の望む者としろ」
リオンは娘に背を向けてまたゴロンと横になる…
背中の向こうでは女が声を押し殺して泣いていた…。
リオンは女達が寝静まっている朝早くに一人部屋を出た…
村は昨日の騒ぎが嘘のように静まりかえっていた。
リオンは討伐隊の男達を蹴りつけながら起こすと…
「さっさと支度しろ、村を出るぞ…」
冷たい視線を向ける
「な、なんなんだ手前は…」
実力差が分かってるだけにビクビクしながらも睨みつけてくる。
「好き勝手するのはいいがそれは魔王にあってからにしろ、その後は好きにすればいい」
リオンが冷たく言お放つと
「なるほどな…確かに…まずは魔王だよな」
男は下卑た笑顔を浮かべた。
リオンの提案でもう町や村には寄らずにひたすら魔王城を目指す事になった…もちろん不満な声が上がったが言葉でわからない奴は力で解決した。
夜になり森の中に寝るためテントを張っていると…リオンが不意に立ち上がり森の中に消えて行った…
「なんだあいつ…サボる気かよ…」
「静かにしろ、どこで聞いてるかわからねぇぞ、どうせ返り討ちにあうんだやめとけ」
「しかしムカつくよな…結局村に行ったのって最初の所だけだぜ、しかも何も出来なかったし」
「まぁな…」
「これじゃなんの為に討伐隊に入ったんだが…」
「言うなよ、魔王を倒せば全て上手くいく…」
「だが…勝てるのか」
「あいつがいるから大丈夫だろ、ここまでに来る間もほとんどがあいつが魔物の相手してるし」
「そうだな…俺ほとんど戦ってないや」
男達がこれまでの事を思い出す。
「あれ?このままだとあいつに手柄全部取られれるんじゃねぇのか?」
「「「「「……」」」」」
男達が黙ってしまう…
「そんなの…させねぇ…」
男達がボソッっと呟くと…周りを見る、リオンがいないのを確認すると…コソコソと話合いを始めた…。
リオンは森の中を進んで行くと空を見上げる…すると魔族が上から降りてきた…
「お前達か?城に突き進んでいる人間共とは…」
魔族の一人が語りかける…
「そう、だな…魔王に会いたいんだ…」
リオンが頷くと…
「何が目的だ…和平でも結びに来た訳でもないだろう」
「それは、魔王に会ってから考えるよ…それで会わせてくれる?」
リオンが聞くと…
「会わせるわけ…ないだろう!」
一人の魔族がリオンに突っ込んだ!
リオンはサッとかわすと剣を抜く。
「別に戦いたい訳じゃないんだけど…」
「うるさいぞ!我らの王にお前みたいなのを会わせられるか!」
「そっか…じゃやっぱり今のまま突き進むしかないね…」
リオンは剣を構えると…
「魔王に必ず会いに行くって伝えておいて…」
リオンが剣を一振りすると…魔族達が吹き飛ばされた。
「ぎゃぁぁー」
「クッ…」
「うわぁー」
見えなくなった魔族達の方向を見つめ…
「急いだ方がよさそうだな…」
リオンは男達がテントをたててる場所に戻って行った。
リオンはその後も男達を急がせ…念願の魔王の城にたどり着いた。
「や、やっと着いた…」
「もう…我慢ならん…」
村を出てから禁欲生活だった男達がギラつく…
「早く倒してさっさと帰ろうぜ!」
「帰ったら…ヤリたい放題だ!」
「…行くぞ…」
リオンは男達を無視して城の扉を開いた…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます