第4話出発

朝早くから討伐隊が城の外で待機していると…


「ゆっくり休めただろうか?」


国王が顔を見せた。


討伐隊が膝をつきながら頷きニヤニヤとする、その様子に


「ではいい知らせを期待している!」


王は笑って答えると…さっさと城に戻って行った。


男達は意気揚々と魔王の城目指して進み出した。




「ミキィ様、ご報告があります…」


いつもより真剣な様子のバンパイアのリュウさんが話しかけてきた…


「どうしたの?リュウさんそんな真剣な顔して…」


「実は…人間共がこの城目指して進んでいると報告が入りました…」


「えっ?なんで?急に?」


ミキィが困惑すると…


「どうやらミキィ様が魔王になった事で勢力が弱まったとでも勘違いしたのでしょう…」


リュウさんの目が赤く染まる…


どうやらかなりご立腹の様だ。


「ですからちょっと制裁を加えてやろうかと思っておりますが…どうでしょうか?」


「制裁って…何するの?」


「まぁ…軽く皆殺しでしょうか?」


「リ、リュウさん?それ軽く無いよね?一番重いよね?」


「我々のミキィ様が愚弄されたんだ…皆も気が立っているしな…」


「私は気にしてないから大丈夫!だから落ち着いて!みんなにもそう言ってよ」


「しかし…」


リュウさんが納得出来ないと顔を顰めると…


「少し!脅かす程度で!ね!殺しとかは…あんまりしないで欲しいなぁ…」


「…わかりました…ミキィ様がそう望むなら…」


「ありがとう~!やっぱりリュウさんは話がわかるね!」


ミキィが笑顔を見せると、しょうがない…


リュウが苦笑して諦めた。



リュウさんが何名が抜粋して魔族を集めると…


「これより南に人間達が向かって来ている、お前達はそいつらを少し脅かして来て欲しい…」


「なんだ?殺せばいいのか?」


一人が質問すると…


「いや…ミキィ様はそれを望まない…引き返す程度に脅かしてやれば良い」


「ふーん…つまんねぇなぁ…」


「ミキィちゃんがそうしたいなら私はかまわないわ」


「私も従おう」


「お、俺だって別に大丈夫だ!ちょっと脅かしてやればいいんだな?」


魔族達が納得するのを確認すると


「頼みましたよ」


魔族達は頷くと夜の空に向かって飛び立って行った…。



その頃討伐隊達は…


「おら!酒だ!酒持ってこい!」


「そこの姉ちゃんお酌してくれや!」


「飯が足らねぇぞ!」


立ち寄った先の村で傍若無人な態度で好き勝手していた…。


「なんなんだ…こいつらは…」


「これなら魔族の方がよっぽどいいよ…」


村の人達は討伐隊の振る舞いに訝しげな視線を投げる。


「こんな事がずっと続くのか…」


「国王からの命令だ…討伐隊の言う事は絶対…敬意を持って対応しろとの…」


「だからってなんでも言う事を聞かなきゃならんのか?我らの明日からの生活はどうなる?」


村の男達が話し合っていると…


「きゃぁー!」


村の娘の叫び声が上がった!


「どうした!」


村の男達が駆け寄ると…


「止めて下さい!」


娘は後ろから羽交い締めにされ胸を揉まれていた…


「やめろ!」


村の男が声を荒らげると…


「おいおい…なんだ?逆らうのか?俺たちは討伐隊だぞ…俺達に逆らうって事は国に逆らって事だ…俺の報告一つでこの村なんぞ潰せるんだからな…」


ははは!


高らかな笑いながら娘のスカートを捲し上げる…


「うっ……」


娘は泣きだしてしまった…


「まだ泣くのはこれからだぜ!さぁベッドに行くぞ!」


「助けて…」


娘が必死に抵抗していると…


「いい加減にしろ…不愉快だ」


リオンが討伐隊の男を後ろから殴る…すると男は泡を吹いて倒れ込んだ。


「リリィ!」


襲われていた娘に駆け寄ると…


「ありがとうございます…だけど…あんた達討伐隊を俺達は絶対に許せない!」


男はリオンを睨んだ!


「別に…好きに恨めばいいよ…俺はどうでもいい…」


そう言うとリオンは騒ぎを起こしている男達を一人一人沈めて行った…


「い、今のうちに女達は隠れているんだ!」


村の男達が若い娘達を匿うと…


「すみません…あなたを誤解していました…討伐隊にもあなたみたいな方がいるんですね…」


一人静かに食事を取っていたリオンに話しかける。


「別に…ああいう事が好きじゃないだけだ…」


「すみません…図々しいお願いですが…娘達を匿っている小屋で休んで貰えませんか…あなたがいればあいつらも近づかないと思うので…」


「…女達と寝ろと?俺が何もしない保証は無いぞ…」


リオンが面倒くさそうにしていると…


「娘達もあなたにならと納得しております…ですからどうか…」


村の男達はみんなでリオンに頭を下げた…


リオンはため息をつくと


「何処だ…もう休むから静かに寝かせてくれ」


リオンが立ち上がると、小屋へと案内した…


小屋につくと女達が震えて隅の方に抱き合いながら固まっていた…


リオンは空いているベッドに横たわると目をつぶる…


少しすると寝息が聞こえてきた。


女達はリオンが何もする気がないと分かると…安堵のため息をついた…

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