第3話討伐隊

魔王が代わる…そんな情報が人間達にもあっという間に広がっていった…


そんな中一人の男がそれを耳にすると…


「魔王…?」


隣で噂話をしてる人に耳を傾ける…


「おう!あんちゃん知らないのか?魔王が代わるらしいんだよ…」


「そうか…」


あまり興味なさげに答えると…


「今度の魔王は女らしいぜ!これなら討伐も夢じゃないかもな!」


そう言って紙を見せようとするが…男は見る気がない…


「なんでも今度国で魔王討伐隊を募集するらしい」


「ふーん…」


男が反応すると紙をチラッと見る、そしてじっと紙を見つめると…バッと紙をひったくった。


「あんちゃん!何すんだよ」


返して貰おうと紙を引っ張ると…


「コレで売ってくれ…」


そう言ってジャラジャラと金を出した…


「こ、こんなに?」


話しかけた男が困惑すると…男は紙持ってさっさと行ってしまった…


魔王が描かれた絵を見つめ…


「見つけた…」


男は絵をグシャリと握りしめた…。



ミキィが魔王になってからも別段いつもと変わる事は無かった…面倒事は周りの優秀な部下達がやってくれるし…


生まれた時から知っている事もあり、皆にとってもミキィは可愛い自分の子供のようなものだった…


周りの気遣いもあり…ミキィはいつも通りの時を過ごしていた…


そんな時人間達は魔王討伐隊を結成していた…


「魔王に挑む勇気ある若者達!君達の活躍を期待している!魔王を討伐して帰ってきた暁にはなんでも褒美を取らせよう!今日は心ゆくまで楽しんで明日に備えてくれ!」


国王の言葉に討伐隊の面々が歓喜する。


「なんでもだってよ!」


「俺は金だな」


「俺は女かなぁ…」


「そういや魔王も女なんだよな、生きて捕らえて慰み者にするのもいいな!」


ギャハハと下品に笑っていると…


「リオン様…」


国王の娘が話しかけてくる。


リオンがチラッと顔を向けると…王女は顔を赤らめ…


「いよいよ…明日ですね…」


王女がチラッチラッと顔を見てくる。


「もし…今夜お暇でしたら…」


「いえ、鍛錬がありますから…」


リオンはそう言うと会場から出ていってしまった。


「なんだあいつ?」


「あいつだろ、今回の討伐隊を決めるテストでぶっちぎりの一位だったのって…」


「まじかよ…」


「勇者の生まれ変わりなんじゃ無いかって噂だけど…本人は否定してるらしいぞ」


コソコソと噂話が広がると…


「王女様、あんなやつほっといて俺たちと遊びませんか?」


酔っ払った男達が話しかけると…


「チッ…低俗共が…」


「えー?なんですか?」


王女の呟きが聞き取れなかった男達は…


「なんでもありません…そうですね…では御相手お願い出来ますか?」


王女はにっこりと笑いかけた…。



王女と部屋に消えてった男は…


「フガッ!グゥフ…ヴヴゥゥ…」


顔に布を被せられ、棒で殴られていた…


「クソ!リオンのあの態度!ムカつく!なんであいつは靡かないんだ!」


八つ当たりで男を殴り続ける…


「顔がいいからって調子にのりやがって…どうにかしてあいつをひざまづかせたい…」


紐で男の首を閉めると…ぎゅうっと力を込める…


「あの強さがあれば…私の伴侶も考えてやるのに!」


思わず力が入りすぎると…男の手がダランと落ちた…


「あっ…また壊れちゃった…これだから弱い男は…」


王女は汚い物を垂れ流す者を興味なさげにほおり投げると…


「ちょっとー誰かいないの?」


「はい…」


一人の従者が入ってくると…


「これ、片付けといて」


「…かしこまりました…」


従者は壊れた者をだき抱えると部屋を出ていった…


「魔王討伐が終われば鍛える必要も無くなるはず…そうすれば…ふふふ…」


王女は汚れた身を洗い流しに浴室へと向かった…

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