第7話 返答

「話は終わった。今度こそ、存分に二人きりで過ごせ」


 シュランメルトは、近くにいたネーゼに促す。

 それを聞いたネーゼは、頷いた。


「ありがとうございます。シュランメルト……様」

「シュランメルトでいい。名目上は夫婦だ。呼び名など気にするな」

「はい。シュランメルト」


 そして、ハーゲンに再び問う。


「ハーゲン。答えを聞かせていただけますか?」


 ハーゲンは迷わず、答えた。


「喜んで……。喜んで、恋愛をやり直させていただきます、ネーゼ様!」


 その答えを聞いたネーゼは、とたんに笑顔を浮かべる。


「ありがとう……ありがとう、ハーゲン!」

「ネーゼ様!」


 二人は、熱い抱擁をかわした。


     *


 一連のやり取りを見届けたシュランメルトは、パトリツィアに告げる。


おれ達は最後の仕上げをするぞ」

「何の?」




「決まっている。二人を引き裂いた元凶に鉄槌を下し、今後一切の憂いを断つ」




 シュランメルトは落ち着いた声で、しかし心は烈火の如く怒りながらパトリツィアに返し、その場を後にした。

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