弥生 - 壱 (2020)

(短歌)


大はしゃぎしている街の真ん中で液晶越しにそれを見ている‬


‪束ねてるゴムの金具が光ってる ところできみの特技はなあに


‪味気ない茶色の箱が重なって空っぽになりゆく六畳間‬


‪「どっちでもいいよ」と君が笑ってる (興味ないし)のカッコが見える‬


そうですか それではどうぞお大事に(どうせぼくらのせいになるので)


‪輪の中にいたはずのぼく 5時間も遅れて見てるぼやけた写真‬


‪ぼくの夢 スーパーヒーローになること きみの笑顔がみられるように‬


‪わたしはさ 魔法使いになりたいの お姫様より強そうでしょう‬


‪どこまでもゆけるさ翼さえあれば 枷はその手で打ち壊せるさ‬


‪今やっと なりたかったを なりたいに 修正してたとこよ 見ていて‬


‪春の雪 予想も季節も外れてる そんなぼくでも 愛してくれよ‬


‪ねえあのね きみに知ってて欲しいこと 返事が怖くてまだ言えないの

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