如月 - 壱 (2020)

(短歌)


‪半纏を重ねて 黄色い指先ときみの丸めた背中を見てる‬


‪蜜柑籠それから犬を切り取って いくつになっても子は子のままよ‬


‪自転車も免許あったらいいのにね 少し不便なくらいがいいよ‬


‪坂道を三歩進んで二歩下がる 下がるの前に回れ右する‬


‪綺麗だと思うんだけど満月かどうかを測れる目は持ってない‬


‪ハミングで君が奏でるその歌の少し外れた調子が愛し‬


‪使わない色つきペンでパンパンに膨らんでいる布の筆箱‬

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