睦月 - 参 (2020)

(短歌)


‪私とは何ぞと問われ応えるは形ばかりの名前と所属‬


‪生きているだけで減点されるなら死ぬ方がマシにもなるでしょう‬


‪好きじゃないだけを周りに塗りつけてできた井筒に住んでる蛙‬


‪仕方ないことと黙っていた事が異常と知ったアフターファイブ‬


‪住所ある職ある法も侵してないそれでもたぶん性別がない‬


‪できていたはずのあらゆる出来事と 零れ落ちてく夢と私と‬


‪降る雪の下で歌声重ねよう 満月の夜 笑えるように‬


‪たらればを言ってもきりはないことはわかってるけどもしあの子なら‬


‪髪型を気分で変えてはダメですか 訳知り顔は首吊って死ね‬


‪青色が嫌だと言ったきみたちが赤が良いのと差別をしてる‬


‪ゆでたまごが好みのかたさだったので‬今日は良い日ということにする


‪あと五分本を読んだら出かけよう きみと会話を楽しむために‬


‪傘をさす程ではないね 西の空 星がないのはいつもだけれど‬


‪肥えてゆく顔の右下存在を主張している明星ひとつ‬



‪(都々逸)‬


‪車窓についた雨粒たちが次々後ろに飛んでゆく ‬


‪顔の半分 白で覆って 私が過敏なだけなのか‬


‪(俳句)‬


‪百舌鳥のはやにえこそ冬の暖かさ‬

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