師走 - 壱 (2019)

(短歌)


生きている 赤い血潮が流れてる 荒れた手指の切り傷を見る


平凡でつまらぬような今世こそ100万回目であれと願って


くるくると貴方好みに髪巻いて 他の誰かの彼女になるの


くるくると滑車を回す様を見る 来世はどうか人ではなくて


くるくると廻る世界の真ん中に取り残されて体育座り


画面越し煌めく君を眺めてる 私のここは端だと嘆く


僕だってせめて自分のステージのセンターに立ち輝きたいよ


血液は健康という証明が届いた 電子音に溜息


眠ってる 丸い世界の隅っこを探して糸の端を握って


(都々逸)


「血色いいね」と安心されて「チークの色よ」と告げられず


‪あざとく生きてみたいのだけどどうせ剥がれる化けの皮‬


式はあっても実感がなく雲を掴んで生きている


協調性とそれから普通 常識知らずが上に立つ

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