第17話 いよいよ本番。
1週間の準備期間を経て、いよいよ[魔王の迷宮]に潜り、魔王を倒す戦いが始まることになった。1週間の準備期間は、遊びに行こうかと思ったが、皆各自戦闘訓練や、己を高めるそうだ。
俺は、研究室にこもり、召喚魔術師が調べた。異世界転移の研究書を読むことにした。
まあ、普通の召喚魔法と、原理は一緒ゲートを繋いで異世界への道を作りそこを通れば良いのだ。ただし、通り抜けるまで維持すること、そして、人自体が通った時に大丈夫かという問題があり、そして、行った召喚魔術師は、移動できないと言うことが問題だ。
更なる大問題は、俺達がいた世界をどうやって見つけるか。俺達の召喚した時は、勇者っていう良い目印があったけど。
「ノノ、異世界転移について何かわかる?」
「うーむ、そう言えば、精霊の導き手もその辺の研究していたぞ。だが、覚えていない。すまん、主殿」
俺は立ち上がり、書架で本を探す。と「召喚魔術師精霊王を従えた男達」を再び手に取る。精霊の導き手と、晩年出身国のシェイム王国にて、王立の召喚魔術研究所を作るか。シェイム王国ってどこだろ?。
「主殿、ここよりだいぶ東の方だぞ」
「何でわかるんだ?」
「わしは、土の精霊王だぞ。まわりの精霊のバランスでわかる」
「なるほど」
それからも、研究書を調べ、魔術書を読みあっという間に、迷宮へ入る日がやってきた。
「今回の、魔王討伐隊のリーダー勇者タケシだ。よろしく。今回、俺ら18人全員で、[魔王の迷宮]を攻略して、魔王を倒す」
タケシは、何かメモのようなものを取り出し読み上げていく。
「えーと、先陣、中陣、後陣と別れ、階層ごとにローテーションします。つまり、第1層では、先陣ガクグループ、中陣タケシグループ、後陣がカヅキグループとなり、第2層では、先陣タケシグループ、中陣カヅキグループ、後陣ガクグループと言う感じです」
「ハインリヒさん達もついて来てくれますが、あくまで、我々の食料運んでくれる。兵士さん20名の護衛係りですので、そのつもりで」
「そして、対魔王、対ボス戦は18人全員で行うので、そのつもりで、よろしくお願いいたします。では、出発」
俺達は、[魔王の迷宮]に入る。まず、俺達が先陣で入ると、少し感覚をあけ、中陣でタケシ達が入る、そして、食料係の兵士さん達と、護衛のハインリヒさん達6人。そして、最後にカヅキグループが入る。総勢、44人の行列だ。
威圧をできるタケシ、ダイ、カヅキが使い。休みつつ、ローテーションしながら進み1日で、10階層まで到達。そこで、俺は周囲を岩で取り囲み、スペースを作ると、44人で寝る。
翌日は、威圧をかけながら、進み半日程で、アルキースの部屋へ。
「はっはっは。良くきたな。我こそは、不死なる者。バンパイア、アルキース様だ。愚かな冒険者よ。覚悟するがよい」
「俺は勇者タケシ。正義の名の元に、お前を倒す。ブレイブギャラクシーアタック!」
一撃でアルキースは灰になる。ブレイブギャラクシーアタック? 必殺技か? 勇者銀河攻撃ってところか?。
そして、大広間でゆっくり昼飯を食べると出発する。16階層、再び俺達が先陣だ。威圧をしていても、少ないが、徐々に敵があらわれる。
人面鳥、これは、ハーピーと言うらしいが2回出てきたのだが、ダイか突っ込んでいき、鳴くとダイが混乱して、こちらを攻撃してくる。慌てて取り押さえて、フミカちゃんが状態異常解呪して、と2回繰り返す。
「面目ない」
ダイが落ち込む。すると、リンカちゃんが
「落ち込むなんて、ダイ先輩ぽくないですよ。ほら、前向きにいきましょう」
「そうだな。今度はハーピーぶっ倒してやる」
17・18階層も、威圧は、全く効かなくなり、敵があらわれて、戦いになる。ややペースが落ちる。今日は、18階層まで、ゆっくり休む。
そして、翌朝、19階層におりて、戦闘しつつ進む。毒針を飛ばす人面ライオン、マンティコアとか、ゴーレム、リザードマンが相手になり、本格的に戦いになるが、無難に突破する。ショウタは、毒針とても警戒していた。
20階層は、例の豚人間。オークだ。そして、2回目のボス戦へ。
「ぐははは、愚かな冒険者どもよ、わしは、オークロード、ライヤーン。貴様らをこの斧で切り刻んでやるか。さあ、かかってこい」
「俺は勇者タケシ。正義の名の元に、お前を倒す。攻撃開始。」
うん、18人でぼっこぼっこ。某戦隊ものよりも酷いな。ライヤーンさんは、あっという間に細切れになり、灰と化した。
再び、大広間で食事をして出発。ここからは、未知の領域だ。
21階層に入る。先陣が道を探しつつ敵を倒してゆっくり進む。ここで、時間切れ。夜休む。
22階層、再び俺達の順番だ。リンカちゃんが、警戒しつつ進む。敵もちょっと手強くなってくる。三つ首の犬。ケルベロスと言うらしい。黒い炎を吐き、ノノ曰く地獄の炎だそうだ。を避けつつ倒していく。
「うーん、犬か。これは食べれないよな~。」
「キャイ~ン。」
ケルベロスが怯えたように後退りする。
「ガク先輩の食べれないってセリフに怯えてますね。ケルベロス。」
交代して23階層クリア。また、1日が終わる。今のところ、4日。何日かかるかわからないから、早めにゆっくり寝よう。
敵も強くなりゆっくり進む。24階層クリアし、また自分たちの担当の25階層だが、道は複雑だが、敵があらわれない。そして、やっぱりあった大きな扉があった。
扉を開ける。中は、大きな広間になっている。中央に2体の大きな影がある。俺達は、ゆっくり影に近づいていく。それは、2体の大きな直立する黒と白の牛であった。
「我は、ミノタウロス兄弟、アオーンとウンオーンだ。冒険者達よ。我らに戦いを挑むか?。挑むならば、我が斧の錆びにしてくれん。」
「俺は勇者タケシ。正義の名の元に、お前を倒す。」
うーん、豚の次は牛か。どっちも良いな。
「うん、牛も美味しいよね。」
「そこ、なぜ我らを見てよだれを垂らす。」
「えっ。いや黒毛和牛も美味しいけど、シャロレー牛も美味しいかなって。」
「えっ。我らを食べるのか?。此で負けられぬ理由ができた。さあ、かかってこい❗。」
ミノタウロス兄弟は、斧を振るう、空気が切れ、衝撃波が飛ぶ、床もその斧が当たると大きく砕ける。
しかし、18対2。遠方からの魔法攻撃が次々当たり、勇者が、騎士が、戦士が、武闘家がまわりを囲み攻撃を加える。そして、
「ブレイブギャラクシーアタック❗。」
黒いミノタウロスが倒れる。
「兄者❗。」
「隙あり❗。」
チハヤ、シロウが剣を白いミノタウロスに突き刺す。
「グハ❗。」
白いミノタウロスも倒れ、広間は静かになった。そして、敵のいない空間で休む。5日目が終わった。
翌日朝より出発。26階層におりる。そして、そこはひたすら岩肌の洞窟の一本道。突き当たりに、扉が、皆集まる。と、
「また、ボス戦ですかね?。それとももう魔王?。」
「どちらでも、たが戦うのみ❗。」
威勢が良いのは良いけど。準備はしないとな。俺達は、準備を整え部屋へ入る。そこには、砂丘?が広がっていた。部屋一面の砂。
慎重に部屋の中に入り、砂の上を進む。すると、ノノが騒ぎ出す。
「主殿、下だ下だ。砂の中にいるぞ。あがってくる。」
「皆❗。下から敵がくる。まわりに避けろ❗」
皆が周囲に散ると、避けた部分の砂が下に流れ落ち、そして真下から、10m程もある、一周牙だらけの口があらわれる。そして、俺達が避けると、再び口を閉じて砂に潜っていく。その姿は、大きなミミズのようだ。なんだあれ?。
「主殿、サンドワームだ、砂漠に住むモンスターだぞ。」
「ノノ、どこにサンドワームいるか。分かるか?。」
「うむ、わかるぞ。今、真下だ。」
早く言え馬鹿❗。
「あいつが出てくる、避けろ❗。」
すると、足元の砂が流れ始める。慌てて後ろに飛ぶ。サンドワームがその姿をあらわす。サラマンダーを召喚して、連続で、炎を放つ。一部燃えるけど、大ダメージにはならない。そして、また砂の中に潜る。
「俺が、だいたい場所がわかるから、今度出てくるタイミングで、集中攻撃しよう。」
皆から、了解っと返事をもらい準備をする。そして、
「出てくるぞ。主殿。」
「また、下から出てくる。攻撃準備❗。」
俺達は、大きく飛び退くと、攻撃準備して待つ。出てきた。魔法が、矢が、剣の攻撃が集中する。サンドワームは、潜ることなく、砂の上で暴れると、消滅した。意外と消耗したようだ。これから、立て続けにボス戦なのか?俺達は、話し合い、ボス戦は1日2回までと決め、多めの休息をとることにした。
そして、昼過ぎ27階層におりる。やはり一本道の洞窟が続いている。奥には同じように扉がある。戦闘準備を整え扉を開けるとそこには、緑の草原と湖が見えた。そして、湖に向けてゆっくり歩いていると、湖から何かが浮かび上がってきた。
それは、9つの頭を持つ大きな蛇だった。そして、蛇は、9つの頭の口を開ける、白い煙が吹き付けられる。慌てて避けると、草原にはえていた草花が枯れる。
「毒だね。」
誰かの声がする。ここで動く9つの首の毒霧攻撃を避けつつ、皆が攻撃を仕掛ける。俺もひとつの首に狙いを定め、
「シルフ召喚、風の刃❗。」
ひとつの首をズタズタに切る。そして、9つの首が、全て動かなくなる。そして、ヒドラは灰になって消えた。
「さあ、今日はここまでにしよう。ゆっくり休んでくれ。」
勇者タケシの声が聞こえる。
だいぶ深くまで来たな。6日目で27階層。もう少しなのか?。
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